近代文学の父が翻訳した『マルコ・ポーロ旅行記』
社会
(ウランバートル市、2026年4月16日、国営モンツァメ通信社)
ーナツァグドルジ生誕120周年にー
モンゴルを代表する作家ダシドルジ・ナツァグドルジが翻訳したマルコ・ポーロの旅行記に関する希少な手稿が、モンゴル国立中央図書館に所蔵されている。この翻訳は、1902年にドイツで出版されたドイツ語版の旅行記を底本として、1930年に完成したものである。
マルコ・ポーロの旅行記は、欧州、米国、イギリス、アジアの多くの国々で要約版や詳説版として翻訳・普及している重要な歴史資料である。ナツァグドルジによる翻訳は、その原典の要約版に基づいており、旅行記の作品とも言える。また、多様な研究資料や古文書からの引用が含まれており、巻末には使用した参考文献の一覧も記されている。国立中央図書館の古文書・モンゴル研究部門のCh.ガンスフ司書はこの点が作品の研究価値を更に高めていると指摘した。
『偉大なるハーンの宮廷にて』と題された273頁に及び、ナツァグドルジが筆を用いて非常に丁寧かつ美しく楷書で書き上げた見事なものである。
表紙には「『偉大なるハーンの宮廷にて』イタリア人マルコ・ポーロの中央アジアおよび中国への旅に関する記述」という題名が手書きされている。赤い布製の表紙で、サイズはおよそ縦30㌢以上、横20㌢以上あり、毛筆で書かれている。
本書には20頁以上の訳者まえがきがあり、そこではマルコ・ポーロの人物像や作品の内容、意義について解説されている。また、巻末には特別な解説が付随しており、作中に登場する20以上の都市や用語が説明されている。しかし、この作品の内容はフビライ・ハーンの宮廷にとどまらず、13世紀~14世紀にかけてのモンゴル人の風習、産業、特徴、価値観、食文化など、極めて広範な内容を網羅している。
ナツァグドルジが本作を翻訳する際、当時の政治・社会情勢、国民の習俗、言葉、用語を、その時代の意味内容に忠実に再現した点が大きな特徴である。
翻訳が完了した1930年という時期は、ナツァグドルジが1929年春にドイツから帰国した直後にあたる。同氏は帰国後、1年余りの歳月をかけてこの『偉大なるハーンの宮廷にて』を翻訳仕上げた。


