モンゴル国内初、銀製ゲレゲが発見

カルチャー
b.enkhtuya@montsame.gov.mn
2025-06-10 11:01:25

(ウランバートル市、2025年6月10日、国営モンツァメ通信社)2024年5月、バヤン・ウルギー県ボルガン郡の「ウラーン・ダワー」と呼ばれる場所で、地元住民のA.アンサガン氏、Kh.アマンジョル氏、Ye.アマンベク氏が銀製のゲレゲ(身分証・通行証)を発見した。この遺物は関係法令に基づき国有財産として移管される手続きが進められ、ウランバートル市の住民J.オトゴンジャルガル氏がその取りまとめを担当した。

文化遺産の保護に尽力した彼らには、文化・スポーツ・観光・青年省から感謝状が授与された。発見された歴史的遺物を広く紹介・広報する活動は、「チンギス・ハーン国立博物館」が主催する予定で、同博物館は国民一人ひとりに文化遺産の保存・保護に積極的に参加するよう呼びかけている。

研究者によると、この銀製ゲレゲはモンゴル帝国時代、特に元朝期に作られたもので、パスパ文字で刻まれている。碑文は「möngke tengri yin küčün dür qaɣan nere qutuɣtai boltuqai ken ülu buširegu aldaqu ükügü」と転写され、その意味は「永遠の天の力の下に、王の名が聖なるものでありますように。誰もそれを冒涜する者あらば、滅び、死ぬであろう」とされている。

また、ゲレゲの穴の周囲にある隆起した縁には6つの漢字の形をした文字が刻まれており、「尊敬の印、69番」を意味しているという。

なお、モンゴル国内で発見された銀製ゲレゲと類似する遺物は、ロシア連邦とアメリカ合衆国でも計3点確認されており、今後さらなる詳細な研究が期待されている。