フィッチ、モンゴル格付け「B」を維持

経済
manduhai@montsame.gov.mn
2019-07-18 16:20:36

 格付け会社フィッチ・レーティングスがこのほど、モンゴルの長期債と短期債について「B」を維持、その見通しを「安定的」と格付けしたことが7月16日に分かった。フィッチは、格付け維持の原因に持続的な経済成長、財政及び行政の改善を挙げながら、脆弱な経済構造と環境変動の影響に対する外部バッファー不足が急激な不安定をもたらす要因だと問題視した。

 フィッチは、「2018年度は、国内総生産の2.6%に当たる黒字転化。政府は新たな方策を講じておらず、2019年上期中の歳入と歳出が共に拡大した」とした。さらに、「2020年の総選挙を前に歳出が急に増加し、黒字収支を維持できるかは不明だ」と内政リスクを指摘した。急速な経済成長を背景に政府負債も縮小基調だという。フィッチによると、政府負債は2019年末期にかけて対GDP比60%までに下がり、その後も2020年からだんだん下がっていくとの見方である。フィッチは「IMF支援が遅れているにもかかわらず、外貨準備金は増加基調となった。外貨準備金は2017年に対して3倍の約37億米㌦(2019年5月末時点)となる」としながら、「対モンゴル投資に対する財政的な脆弱性は依然として強い。経常収支赤字や対外債務圧力などは、投資家信用を失いかねない要因だ。その上、資源輸出を基軸の経済構造と輸出市場が中国という限定性は、外的刺激に対する脆弱性をもたらす」と懸念を表した。さらに、フィッチは、成長率が2018年に6.7%、2019年第一四半期に8.6%となり、経済の持ち直しが順調に進んでいるとし、その要因に「オユトルゴイ鉱山開発関連の直接投資と国内消費の拡大」を挙げた。