学校教科書、ついにデジタル化へ

社会
b.undrakh@montsame.gov.mn
2023-08-26 23:23:05

8月25日、教育関連法の改正案採択を受け「教育の復興」全国大会が開催された。教育改革の一つに、教育のデジタル化が優先される。そこで、ハンガリーのモザイク(MOZAIK)デジタル教育・学習プラットフォームのO.チングン・モンゴル代表にデジタル教科書についてインタビューした。


ーー教育・科学省と協力して、中学校の教科書をデジタル化するプラットフォームを導入する計画について教えてください。

モンゴルではデジタル化が急速に進んでいる中、教育・科学省と協力し、中等学校6年~12年生向け教科書を、国際的に認められるハンガリーのモザイク・デジタル教育・学習プラットフォームに導入し始めた。


ーー教科書のデジタル化における技術的・人的キャパシティーは?

国際基準を満たす優れた教育プログラムを、最低コストで、効果的に利用しやすくするため解決策を提供する。まず、対象学年の全モンゴル語の教科書を導入し、全国の3万6217人の教員に同プラットフォームの使い方について研修会を行う。更に、6~10人がハンガリーに派遣され、教科書のデジタル化方法を習得後、15~20人のトレーナー教員を養成し、広めていく計画である。一人の教員が同プラットフォーム習得に60時間の研修が必要である。教育総局と協力し、ハイブリッド形式で研修を進めば、段階的に遠隔地の教室にも導入可能となる。



ーーデジタル教科書はいつから導入予定ですか?

教育・科学省と合意できれば、6ヶ月以内に全面導入が可能である。つまり、来年2月1日からすべてのモンゴル語教科書の導入が完了し、100%プラットフォーム上で全国的に運用可能となる。デジタル教科書を遠隔地から、よりインタラクティブに、分かりやすく教科が身に着くように最新ソリューションも提案する計画である。


ーーインターネットがなくても利用できますか?

利用できる。スマートフォン、タブレット、パソコンなど、全種のデバイスで利用できるように制作中である。教育情報センターとの協議の結果、どのようなスマートデバイスからでも、データを失うことなく利用できるようになった。そのために、まずインターネット環境で教科書をダウンロードする必要があるが、その後からオフラインモードで使用可能となる。例えば、一般的に絵や文章で構成される8年生の化学の教科書を、より理解しやすいようにデジタル化する。全国の321郡の生徒向けに教育・科学省から提供している「メドレー(分かった!の意)」遠隔教育プラットフォームと協力し、教員養成により、遠隔教育をより効率的に、質の高いレベルで実施することができる。



ーー教科書のデジタル化のメリットと言えば・・・

同プラットフォームはビデオ、音声、解説など様々な種類の膨大なコンテンツを持つ。そこで、モンゴルの文化遺産、慣習、音楽や、古生物学などを国際基準を満たす同プラットフォームに加える事で、世界中の子どもたちにモンゴルを紹介することができる。もう教育が届かない時代ではなくなり、これを世界中のモンゴルの子ども達に届けることが目的である。外国に住むモンゴル人にとって、母国語の遅れをとる危険があろ、そう言った子ども達は、遠隔学習を通じてモンゴルの言語と文化を学ぶ機会を得る。3〜4年間利用すれば、その成果は目に見えてくるであろう。


ーー同プラットフォームの他国における導入経験は?

同プラットフォームは46ヶ国の40言語でリリースされている。モンゴル語は41番目の使用言語になる。