「モンゴル国2026~2030年開発5カ年基本方針」の紹介
政治
(ウランバートル市、2025年11月10日、国営モンツァメ通信社)モンゴル国政府は10月30日に「モンゴル国2026~2030年開発5カ年基本方針の決定について」国会決議案を上程した。これに関連してゴンボジャブ・ザンダンシャタル首相は11月9日、記者会見を開き、「新たな信頼ー抜本的改革」すなわち「モンゴル国2026~2030年開発5カ年基本方針」を紹介し、詳しい情報を提供した。記者会見に閣僚および関係者が参加した。
会見の冒頭、ザンダンシャタル首相は、5カ年基本方針を紹介した。首相は、「モンゴル国憲法第27条1項5号では、開発政策、計画が安定的であると定められている。我々は、過去30年の歩みから学び、これからの行動を確定させるべきである。内閣が変わるたびに、政策が変わる状態こそ、過去の主要な失敗の一因であった」と述べた。基本方針の作成にあたって、開発政策計画法に基づき、科学的根拠、世論を反映させ、計画および実施の段階で一貫性と柔軟性の備えた方針を維持した。

「モンゴル国2026~2030年開発5ヵ年基本方針」案は、モンゴル科学アカデミーおよびその他の研究機関、高等教育機関の研究者との協議を経て作成された。2020年に、開発政策計画法が制定され、はじめてモンゴル国5ヵ年開発基本を承認された。前回の基本方針が終了する2カ月前までに、次の5カ年計画を国会に上程することが定められている。そのため、今回の基本方針が国会に上程されている。
「モンゴル国2026~2030年開発5カ年基本方針」案は、「ビジョン2050」長期開発政策および「政府活動計画2024年〜2028年」との整合性を図りながら策定された。同基本方針案は、「人間開発」、「社会発展と国家の共通価値」、「経済およびインフラ開発」、「環境とグリーン経済」、「ガバナンスとデジタル転換」、「地域開発」、「国家競争力」、「科学・技術・人工知能」の8つの政策分野から構成されている。この枠組みで、10の国家目標、35の分野別成果、85の機関(予算統括管理者)別目標、および200のプログロム成果がそれぞれ示されている。

上記の8つの政策目標の一環として10の国家目標を設定していることが特徴的である。具体的に、加工産業分野の能力向上によって生産および商品の種目を多様化させ、安定的な経済成長を6.0%以上を維持する目標がモンゴル国2026~2030年開発5カ年基本方針案に盛り込まれている。
また、地域間の開発格差を縮小し、経済を多様化し、人口移動のバランスを整えることで地域開発指標を20%に向上させる。さらに、ビジネス環境の改善、市場への国家関与の縮小、公正競争の促進、事業者、投資者の権利保護および税制および関税改革の深化を進め、今後5年以内にモンゴル国は競争力指標で上位50ヵ国に入るという目標を達成するのは可能であるとみている。

教育、保健分野における改革の一環として国民一人一人に充実したサービスを提供し、労働市場の需要に見合った人材育成し、人間開発指数を0.813に引きあげることを目指す。労働関係、賃金、社会保険制度の連携を強化し、雇用率を向上させる政策を実施することで、職場における労働災害や労働権の侵害、紛争の発生を減少させ、適切な労働環境を拡充し、中間層の割合を20%に引き上げることを掲げている。さらに、汚職の削減、市民の司法への信頼回復、公正な社会システムの強化、透明性および説明責任の向上、防衛、国家レジリエンス強化を図るとともに、「デジタル・ファスト」原則を実施し、市民中心の行政サービスを確立することで、良好な統治指標において上位90ヵ国入りを目指す関連実施策が案に盛り込まれている。

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