フシギーンフンディーで官民協力による最大開発を計画

経済
l.naranzul@montsame.gov.mn
2023-09-12 13:45:34

911日、フシギーンフンディー地域における新ゾーンモド都市開発の進捗状況についてD.オユーンホロル政府全権代表に取材した。

 

ーーフシギーンフンディーにおける新ゾーンモド都市開発計画と経済自由区設立の決定から1年経過しました。開発建設の進捗状況はどの段階で進んでいますか?

モンゴル政府は、ウランバートル市の分散化に焦点を当て、新しい「チンギス・ハーン」国際空港を拠点とし、フシギーンフンディーの31000㌶の土地に15万人が在住できる新ゾーンモド都市建設が決定された。新規開発に向けた技術的準備措置の第1弾とし、全長56.8㌖の治水路、全長50㌖の上下水道、電力供給事業の融資が段階的に決定され、建設工事が進められている。


ーー現在はインフラ工事が進行中という事ですが、建物や住宅の建設工事はいつ開始しますか。このような大きい計画のうちどれを先に開始予定ですか?

モンゴルは1980年以来40年ぶりに新しい都市の建設を計画している。都市づくりは、ただ住宅を建て始めるだけでなく、これまでの都市計画の失敗を繰り返さないために法的環境や工学的インフラ設備及び社会的設備を充実することにより人の流れを呼び込み、住みやすい都市づくりを目指している。人の流れをどう呼び込むかに関する計算は国内外の研究者や専門家と相談しながら綿密に開発されたため、フシギーンフンディーでは、どんな企業にでも土地は与えられていない。


ーー政府は都市開発の建設を支援していますか?

オユンエルデネ首相は「新復興戦略」の枠で、フシギーンフンディーに新都市と経済自由区の大規模な建設工事を開始すると発表した。従い、政府はリードし、フシギーンフンディーのインフラ整備を完全に解決すると決定した。建設都市開発省は必要な設計プロジェクトを完了し、部分的インフラ資金の第1弾が国家予算に組み込まれ、インフラ設備の建設が進行中である。


ーー第1段階では、経済自由区の建設が強化されると述べました。具体的には?

経済自由区については、観光、貿易、サービスが中心となる。現時点では約45万人の観光客がモンゴルを訪れている。そのうちの50%がフシギーンフンディーの「チンギス・ハーン」国際空港を通じて入国した。この数は将来的にもっと増加する見込みである。従い、フシギーンフンディーには観光施設、エンターテイメント・センター、屋内スタジアム、国際会議・展示複合施設、輸送・物流センター、工業地帯、貿易・サービスセンター、免税品センター、国際金融センター、医療複合施設の開発が計画されている。同計画によれば、サービス部門の経済が発展し、高賃金雇用が創出されると推定されている。


ーーエンターテイメント・センターと屋内スタジアムについて・・・

全人口の約70%35歳未満である。この夏、中央スタジアムで開催されたイベントを3万~4万人が観戦したことが端的に示している。これらイベントでは、1平方㍍のスペースに5人が詰め込まれるが、国際音楽祭の基準である1人あたり13平方㍍よりも遥かに狭い。しかし、モンゴルには現在、世界の音楽祭基準に沿い、多くの観客を収容できるホールが未だにないため、経済自由区内にエンターテイメント・ショー、スポーツ・イベント用の2万席の屋内スタジアムを建設することが計画されている。

国際基準を満たす屋内スタジアムがあれば、モンゴルのアーティストは夏のシーズンに限定されることなくショーやイベントを企画する機会が得られる。また、世界的に有名なグループ、歌手、アーティストを招待する機会も設けられる。これは、エンターテインメント業界の発展に大きく貢献すると共に、観光客を誘致する有意義なチャネルになると確信している。


ーーフシギーンフンディーにおけるカジノ設立問題はどうなっていますか。カジノ法案の段階は?

各国は収入を生み出す収益性の高いビジネスとしてカジノを開発している。世界156ヶ国にカジノが存在する中、日本、アラブ、タイがカジノ建設を決定し、建設工事を開始した。私たちは発展途上国と先進国におけるカジノ開発経験、プラスとマイナス面、法的環境について調査を実施し、外務省の作業部会と協力した。政府は202212月にカジノ法案を議会に提出した。国会で議論され、作業部会が設置された。

フレルスフ大統領が国連気候変動枠組条約の締約国会議に参加した際、モンゴルで砂漠化対策条約COP-17会議開催が承認された。

180ヶ国以上から50007000人の代表者が会議に参加するためモンゴルを訪れる予定である。2019年にインドのニューデリー市で開催された国連砂漠化対策条約締約国会議には約6000人、2022年にはコートジボワールのアビジャン市で開催されたCOP-15には約7000人が参加した。

基本的に、各国はCOP会議基準に従い、総合的な国際会議施設を構築した事例が多くある。国連は会議の主催国に対し、3000席の大ホール2つと200300人収容のホール15つ、および高度な技術設備を備えるよう要件を定めている。

このような大規模な建設により、「MICE(ミーティング・インセンティブ・カンファレンス・イベント)」や観光開発の機会が開かれる。


ーーフシギーンフンディーに第17回締約国会議(COP17)を開催する目的は何ですか?

空港に近く、インフラ設備が充実され、開発に適した健全な空き地があるという利点がある。自由区自体には特別なビザ制度があり、外国投資家、企業、個人向けにワンストップ・サービス・センターを運営し、ビザ、税金、許可等多くの行政サービスを提供する点が特徴的である。

また、開発建設の企業に税制上の優遇措置が与えられるというメリットもある。大規模な国際的会議に備え、国際基準に沿った会議・展示施設やホテル、付帯サービスを整備することにより将来的には数多くの国際会議の開催も可能となる。

新都市の基礎建設を開始することに加え、環境に配慮したグリーン計画を施行した新しい環境で国連会議を主催する国となる。


ーー経済自由区の建設はどの段階にあり、いつまで継続しますか?

モンゴルの開発政策文書である「ビジョン2050」では、202130年までに多本柱の経済国家となり、国際金融市場に接続されたアクセスしやすい金融システムを発展させることを目標としている。

国内金融市場は銀行部門に超過依存し、銀行の競争力は弱く、金利は高く、金融仲介サービスの種類は限られ、膨大な不良債権が多くある。従い、外国の銀行や金融機関から国内経済に資金の流れを呼び込み、国内の銀行や金融サービスを国際金融市場と接続し、アクセスしやすい金融システムに変革することが特に重要な目標となる。


ーー開発は外国投資により実施されますか?

建設工事は官民協力により実施される。つまり、フシギーンフンディーでは最大規模の官民協力による建設が行われる。国内外の多くの投資家も投資する。投資家からは、国際協定や規定を中心とする有利かつ明確な法的環境の整備、安定した運営に留意するよう要請がある。


ーー新たな法的環境を整備することで投資家を呼び込むことになりますか?

日本政府の国際協力機構JICAは、フシギーンフンディーの建設に必要な法整備と投資を目的とした技術支援プロジェクトを実施する。自由区は、独自法律で規制され、国際基準に基づき開発されるため、国際的な経験を踏まえ、管理・開発の手法や形態を変える必要がある。官民連携による株式会社の形態とし、投資家や起業家とともに決定することが最適な選択肢である。