ノミンエルデネ氏:「ビエルゲーは年齢を問わず誰でも舞える」
インタビュー
(ウランバートル市、2025年11月10日、国営モンツァメ通信社)毎年10月29日に恒例で開催される「ビエルゲー・ナイト」は、モンゴルの伝統と現代の活気が調和する温かみあふれるイベントである。今年も8歳から80歳まで幅広い世代が集い、デール姿の参加者たちの笑顔と熱気で会場は活気に包まれた。遊牧民の暮らしや精神を体現する伝統舞踊「ビエルゲー」が、人々をつなぎ、モンゴル人としての誇りを呼び覚ますのである。
今回は、ビエルゲー文化の魅力を国内外に広める活動を行っている「オグトルグイン・ビエルゲー」の創設者、Sh.ノミンエルデネさんに話を伺った。
ーーそもそも、ビエルゲーとはどのように関わり始めたのですか。
私は本職はバレエダンサーで、その後振付家としても学んだ。『オグトルグイン・ビエルゲー』という教育センターを設立して、今年で7年になる。私の舞踊の基礎はモンゴル舞踊で、両親が幼いころから学ばせてくれた。専門はクラシックバレエであったが、モンゴル舞踊の意味を学ぶほど、自分の文化に強く惹かれるようになった。人には生まれながらの使命や創造の課題があると思うが、私にとってそれはビエルゲーなのかもしれない。
ーービエルゲーの、他の舞踊との違いは何ですか。
ビエルゲーは単なる動きではない。モンゴル人の身体、魂、意識の統合を表す舞踊である。ビエルゲーを行うことで、ヨガやフィットネス、瞑想をしたかのような心身への効果が得られる。例えばヨガは呼吸が重要であるが、ビエルゲーは動きそのものが自然に呼吸を整え、正しいリズムへ導く。身体の骨や筋肉をバランスよく使い、内なるエネルギーや精神面にも作用する。現代は生活や仕事の影響で体に緊張が生じやすいが、ビエルゲーはそれを鎮め、心身の中心を保つことを教えてくれる。基本姿勢の『ヤゾゴール姿勢』は大地とつながり、芯を象徴している。

ーー「オグトルグイン・ビエルゲー」を設立した目的は。
主な目的は伝統文化の復興である。例えばモンゴル人は『ジョーライ・ゲルデン』という歌を聞くと心が高揚するが、どう体を動かせばよいかわからないことがある。私たちはその感覚をビエルゲーを通して表現し、復活させる。教育プログラムは連続的に行われており、基礎を教えれば、受講者自身が自然に美しく舞えるようになる。
ーー初めての「Biyelgee Night」はどのように始まったのですか。
最初は50人くらい来てくれたらいいなと思っていた。実際には10人ほどであったが、『私』と『ビエルゲー』を大切に思う人々のために公演を行ったことが、今も鮮明に思い出される。当時は毎月イベントを開催していた。今年は7周年記念としてフェスティバル形式で行い、約400人が集まった。これは長年の努力の成果である。
インタビューの続きは『モンゴル通信』新聞でご覧ください。




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