バイガルマー氏:ザナバザル作『白ターラー像』は単なる彫刻を超えた「呼吸する」芸術
インタビュー
モンゴルの政治、宗教、文化芸術の偉大な功労者であるウンドル・ゲゲーン・ザナバザルの生誕390周年が本年にあたる。モンゴルの偉大な啓蒙思想家であり、初代ボグドの歴史的功績、芸術的才能、そして遺した文化遺産について、ザナバザル美術館の館長であるP.バイガルマー芸術学博士に話を伺った。
ーーモンゴルが誇る稀代の偉人、ウンドル・ゲゲーン・ザナバザル(「徳の高い活仏」の意)の生誕390周年が本年にあたります。偉大なる人物の名を冠したこの美術館には、どのような素晴らしい作品が所蔵されているのでしょうか。
ウンドル・ゲゲーン・ザナバザルによって確立された様式や、その御手による作品は、美術館の展示品の中で最も価値の高いものとして評価されている。モンゴル美術の偉大な代表者であるウンドル・ゲゲーンの手になる多数の作品が、当館には所蔵されている。
その中には、「白ターラー」、五仏(五智如来)、「菩提ストゥーパ」、「マイトレーヤ」、「柔和なる音声」、および「ハンドジャムツ母像」などのオリジナル作品が含まれている。
また、粘土像、鋳造仏、タンカ(仏画)、アップリケ、木版画など、様々な技法を用いて表現された様式に基づき、ウンドル・ゲゲーンの後の弟子たちによってウンドル・ゲゲーンの姿や仏像も、美術館の貴重な展示品の一部である。更に、ウンドル・ゲゲーンの美術制作された作品群も当館に保存されている。
ーーパリの「ルーヴル美術館」でウンドル・ゲゲーンの作品が展示された際、現地紙は「偉大なるザナバザル」と評したといいます。これは、レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、世界的な巨匠たちと肩を並べるほどの偉大な才能を持っていたことを示すものです。 ウンドル・ゲゲーン・ザナバザルの唯一無二の芸術的魅力は、どこにあるのでしょうか。
ザナバザルの作品の創作技術の素晴らしさについては、多くのことを語ることができる。1993年にフランスでモンゴルの優れた展示品を集めた展覧会が開催された。この展覧会には、ウンドル・ゲゲーンの「グリーンターラー」像が展示された。その際、フランスのメディアで大きな話題となり、美術評論家や研究者たちから高い評価が寄せられた。