多くの人に見てもらいたい、海外初の本格的な「水俣病 写真展」 淡水・自然保護センターで、10月3日~12月25日まで開催
カルチャー10月3日、秋晴れの下、モンゴル国立淡水・自然保護センター(日本の支援で設立)中庭において、環境保護団体や関係者が参加するなか、水銀中毒「水俣病」を紹介する写真展のオープンセレモニーが行われた。この企画はモンゴル政府と日本のNGOやNPOの協力により、日本から水俣病の写真30点が持ち込まれて開催された。「これまで日本国内や海外でも写真展はあったが、海外の政府が主体となって、広く一般国民に長期間にわたって紹介するのは世界で初めての試み。日本とモンゴルの友好関係の上でも非常に意義深い」と語るのは、今回、写真を提供した熊本の特定非営利活動法人「地球緑化の会」事務局長の柳田耕一さん。同展ではモンゴルでも起き始めている鉱毒中毒被害の写真(ダルハンのホンゴル村)の数々も展示されている。
来賓ではツェレンバト自然環境・観光大臣が「モンゴルでも水俣病のような公害が起きないよう、国民は関心を寄せて見に来てほしい」と挨拶し、高岡正人日本国特命全権大使も、「モンゴル政府が他国のこととせず、今の問題として国の施設を使用して立派な写真展を開いてくれたことに感謝する。水俣病は日本の高度成長期に発生した公害の原点。モンゴルでこんな悲惨なことが起きないよう、豊かな自然を守って発展してほしい」と挨拶した。
写真展を見た女性は、「資源国のモンゴルで同様なことが起こらないよう国は警鐘をならしてほしい」と話した。同展は12月25日まで開催されているので、在留邦人を始め、多くのモンゴルの人々も見に来てほしいと、主催者側では呼びかけている。