モンゴルの遺伝子いついて

科学
jp_dotood@montsame.mn
2015-09-21 15:41:39

モンゴル人はどこに行っても、他人に劣ることはない。これがモンゴル人の遺伝的特徴であることは確かだ。一方、その特徴にモンゴル的生活習慣が影響している。このことについて、遺伝学者でモンゴル国立医科大学教授のI.プレブドルジ博士とインタビューした。

 ――我の祖先は遺伝を生活に有効に役立てて来ました。これは実生活から生み出されたということですか?

そうです。モンゴル人の日常生活が遺伝学を必要としていたのです。例えば、牡家畜を選ぶ際に、強くて速い遺伝子を持った家畜を選んでいました。また、「母親が栗毛のまだらならば、仔馬は脛(すね)がまだら」という、遺伝学を言い当てた諺さえあります。

 ――遺伝子を科学的にどう説明しますか?

人 には46の染色体があります。この46の染色体に32億の細胞が含まれています。これを細胞核と言います。この32億の細胞核の役割を世界中で確定してい ます。これをゲノム研究と名づけています。従って、子供は両親からそれぞれ23の染色体をもらっているはずです。子供に両親の46の染色体を通して32億 の細胞核及び遺伝情報が受け継げられます。こうして、子供は遺伝子の半分を母親、残りは父親からもらっているのです。

 ――我々モンゴル人は自分たちを知力が高いと評価しています。これは事実ですか?

モ ンゴル人はどこに行っても、他人に引けを取りません。これがモンゴル人の遺伝的特徴であることは否定しません。遺伝子の特徴をたった一つの遺伝子で決定で きません。その一方で、その特徴にモンゴルの生活習慣が影響しています。家畜は全て、栄養のある植物を誰からも教えてもらわずに自分で見つけて食べる動物 です。辺り一面に草の生えた牧営地に移っても、牧人は宿営地を替えなければ、家畜は満腹して草を食べないそうです。草や植物があっても、家畜がそれを嫌っ て食べないこともあるとのことです。モンゴル人は家畜の乳製品や肉を食べて育ったため、健康なのでしょう。我々が放牧業から離れたら、モンゴル人ではなく なります。これが他と大きく違う特徴です。農地にして作物を作れば、牧草地はなくなります。牧草地がなくなると、家畜もいなくなります。放牧業から離れて もモンゴル人は存在するでしょう。しかし、モンゴル的生活習慣はなくなるのが道理だと思います。

 ――モンゴル人は、頭は良いが、怠け者だと言いますが・・・?

え え。他方で、放牧業は我々に悪い影響を与えて来ました。外国人は、モンゴル人は、頭は良いが、怠け者だと言っています。それも正解です。我々は飢えを知ら ないから、怠け者になったのです。家畜がいるおかげで、飢えることはけっしてありません。家畜の肉を食べ、乳を飲み、皮は衣服にして着てしまいます。しか し、酷薄な資本主義を経験し飢餓を体で実感した人たちは、仕事をしなければ食べられないということを自覚しています。子供も、そう育てています。しかし、 モンゴル人は、仕事をしていてもしていなくても、飢えることを知りません。多くの若者が、仕事がなくても、どうにか生きています。こういう考えは改めるべ きです。労働すれば発展します。モンゴルには知恵と自然の資源が埋蔵されています。チンギス・ハーンは、世界の半分を征服する時、海や山のある地方にはモ ンゴルの人々を住まわせたくないと考えていました。今思うには、津波や地震のない素晴らしい土地を我々に宛てがってくれました。ですから、我々は、他人の 手も借りず助言もあてにせずに自立して暮らせるはずですが、何か事業をする時、外部の人が助言すると、そのもの価値が上がります。昔もそうでした。モンゴ ル人には誰にも負けない知恵があります。だからこそ人を啓発し、向上させることが必要です。啓発された多くの知識人がいます。外部の人たちの言葉を聞くべ きです。

 ――グローバル化した現在、遺伝子をどのように守りますか?

遺 伝子から見ると、人の遺伝子が交ざると、その都度、新しい遺伝子が取って替わり、良くなると言います。しかし、外国人と結婚すれば、良くなると解してもい けません。また、外国人と結婚してはいけないというのでもありません。どちらも不確かです。私が1992年にハンガリーの世界保健機関で働き、そこの専門 家たちと話した際、自分たちはモンゴルの末流だと語っていました。ハンガリーの祖先と言えば、一部はトルコ、また一部は匈奴です。彼らは話していました― 「ハンガリーはヨーロッパの多くの国境に囲まれています。だから、純血のハンガリー人はいません。グローバル化した現在、モンゴル人が純血を維持するのは 不可能です。モンゴル人から生まれた子供をモンゴル人の心を持つ愛国者に育てる必要があります。彼らの容貌などは重要ではありません」。モンゴルで人が素 晴らしく暮せる条件を整える必要があります。国民は生活が衰退すると、国を出てしまう心配があります。

 ――良い遺伝子の人とは?

両 親から子供に様々な遺伝子が受け継がれ、新たに遺伝子が生まれます。運良くとても良い遺伝子が、そこに集まることもあります。そういう意味で長生きの血筋 もあります。大変、知力に恵まれた血筋もあります。良い遺伝子が多く入って来れば、性格がよい人になる可能性もあります。あるいは悪い特性の遺伝子もあり ます。さらに、遺伝子だけで全てが決まるわけでもありません。環境だけで全てが決まるわけでもありません。悪い性格の遺伝子が多い人がいると、その人に快 適な社会環境を与えれば、生物学的不足を社会の快適な条件が補充します。モンゴル人がチンギス・ハーンの血筋を誇っていれば、チンギス・ハーンのようにな りましょう。チンギス・ハーンは良い言葉を残しました。「自分のあやまちは他人から学べ、心の油断には自分で気づき、悔やむべし」。どんな人でも自分を向 上させることが必要です。人は獣でありません。

コメント