発電と農業を組み合わせたモンナラン太陽光発電所が稼動

経済
41@montsame.mn
2017-11-30 17:39:53
 温室効果ガス排出削減、地 球温暖化対策、大気汚染低減 に貢献できるのは、再生可能 エネルギーである。モンゴル でも再生可能エネルギーを利 用するいくつかのプロジェク トを実施しており、今年竣工 したばかりのウムヌゴビ県ツ ォクトツェツィー郡にある50 メガワットの「ツェツィー風 力発電所」、ダルハンオール 県に設立された10メガワット の「ダルハン太陽光発電所」 が挙げられる。 これらの発電所に続いて今 月、ウランバートル市ソンギ ンハイルハン区に10メガワッ トの「モンナラン太陽光発電 所」が本格稼動を始めた。
 本事業は、モンゴル・日本 両国間で2013年1月に締結さ れた「二国間クレジット制度 (JCM)」を活用したプロジェ クトの一つである。JCMは温室 効果ガス排出削減と従来の電力 生産の自然環境への悪影響を低 減するための制度。日本政府の 援助とファームドゥ社の2300万 米㌦の投資により、モンゴル日 本合弁のエブリデー・ファーム 社とブリッジ・コンストラクシ ョン社が2015年から建設を開始 した。 同プロジェクトでは、10メガ ワットを発電する4万6848枚の 太陽光パネルや27キロの送電線 を設置し、バヤンチャンドマン 変電所の拡張工事を実施した。
 同発電所で生産した電力を同変電所経由で中央グリッドの2 万3000世帯に電気を供給する。 これにより、年間1万6000㌧の 石炭と10万3900㌧の水を節減 し、2万1300㌧の二酸化炭素排 出量を削減できるほか、ウラン バートルの大気汚染低減にも寄 与できるとエブリデー・ファー ム社のR.ジグジッド社長が紹介 した。また、プロジェクトでは 13㌶の土地にビニールハウスを 設置し、日本の技術でトマトや イチゴなどの野菜を栽培する。 ビニールハウスの屋根に太陽光 パネルを設置し、一年を通じて 野菜が収穫できる仕組みとなっ ている。ハイブリッドの「ソーラーファーム」がこの発電所の 特徴である。
 竣工式では、D.ツォクトバー トル外務大臣が「モンゴルと日 本は外交関係を樹立してからの 45年間、政治や経済などあらゆ る分野で親密に協力してきまし た」と強調、「1990年代、わが 国の火力発電所が厳しい状況に 陥っていた時に日本が援助の手 を差し伸べてくれました。そし て今回、自然環境保護と地球温 暖化対策に貢献する太陽光発電 所を建設してくれました。この ことは、モンゴルは日本と友好 関係を保っていれば世界の発展 から遅れないことの証です」と述べた。
 高岡正人在モンゴル日本国特 命全権大使が「わが国は地球 温暖化対策に力を入れ、各国 にも先端技術の導入を目指し ています。モンゴルがこの分 野での協力を支援してくれた 結果、この発電所が設置され ました。このプロジェクトが 成功することで、今後ほかの 案件がスタートするきっかけ になると思います」と語った。
 ファームドゥ社の岩井雅之代 表取締役は「この太陽光発電 所は世界への贈り物です。太 陽光を活用して一年中野菜の 栽培できるというのは自然に やさしいだけでなく、食糧自 給にもつながるという点で大 変有意義です。モンゴルでは 寒い季節が長く続きますが、 このプロジェクトによってい つも新鮮な野菜を食べること ができるようになります」と 挨拶した。
 JCM制度を活用してウランバ ートルのナライハ区にも10メ ガワットの太陽光発電所建設 を計画しているという。