気象予報士エンフザヤさん:今冬は雪が少なくゾドのリスク高い

社会
41@montsame.mn
2017-11-27 11:52:53
 ここのところモンゴル全国で気温が急激に下がり、今年は寒波の年になるだろうとのうわさが飛び交っている。今冬の気候についてどのように予測されているか気象庁の気象予報士E.エンフザヤさんに聞いた。

――今冬は寒波が来るとのうわさがありますが、実際はどのように予想されていますか?
 今年は夏に全国のほとんどの場所で起きた干ばつの影響で雪が少なく、ゾド(冷害)のリスクが高いと予想されています。昨年と比べても今年の10月は雪が少なく昼間は温かい、長い秋になりました。11月初旬まで暖かさは続き、その後多くの地域で雨が降り、雪となって、霰となりました。この11月に降った雪は、今年の冬の始まりと言えます。11月の残りの期間は、多くの地域で雪が降り、吹雪になると予想されています。気温が今よりも低くなるということです。24,25日あたりから気候が荒れる見込みです。地方の一部地域ではマイナス40度を超えるところもあります。12月に入るとほとんどの地域で気温は例年並みとなり、西部や中部の各県では比較的温かくなる予想です。北部では例年よりも冷え込みます。1月は北部の一部地域や東部では例年よりも寒く、ゴビ地域は例年より暖かくなると予想しています。

――今年の冬は降雪が多いとの情報がありますが、今のところ予想はどうですか?
 先月出た予報では西部の西側、中部の一部地域、東部の北側で例年よりも降雪が多いと予想しています。ゴビ地域では例年よりも暖かく、降雪量は少ない予想となっています。降雪が多い地域では、ゾド(雪害)が起こるリス
クもそれだけ高いです。

――シベリアの寒気が南下してきたことで昨年は大寒波となりましたが、今年はどうでしょうか?
 シベリア寒気団の高圧部が東アジアの東部、つまりモンゴルと中国の北部に大きく影響します。西シベリアに寒気がどれくらい留まるかによって、それがモンゴルにやってくるかどうかが決まります。7日間続けば危険ですが、1~2日間くらいだと先に南から暖気が流れてくるので大寒波は到来しません。これについては今月末に詳しい予報が出るので、シベリアから寒波が来るのかどうかは今のところはっきりとはお伝えできません。

――地球温暖化はどれくらのペースで進んでいますか?
 昨今の研究では、10~12年を一つの段階としているといいます。温暖化も寒冷化も、人類の行動が影響して
います。内外共の様々な要素が影響します。環境が変わっていることを表す現象として、人や社会に被害をもたらす規模の自然災害が頻発しています。2000年代は霧雨がよく降り、土や植物が豊かでしたが、最近は一気に豪雨が降るようになりました。一度に多量の雨が降ると土壌に浸みず、人々に危険をもたらします。一方、大気の流れ方によって世界の気候に大きな変化をもたらします。太平洋中部の赤道付近と東太平洋の水温が通常よりも下がることでラニーニャ現象が起こります。これによって寒冷化の条件が整うのです。太陽の局所反応と電磁波には決まった波長があります。
――これからもっと先の気象を予想することは可能ですか?また、モンゴルの気候を2099年まで算出しました
が、どれくらい信憑性がありますか?
 長期的な予報は世界中で課題となっています。世界の予報は14日間に一度ですが、モンゴル気象庁では1940年以降の観測データに基づいて予報を出しています。気象予報は6時間毎と、毎週月曜日に週間予報、1カ月、3カ月毎の予報を出しています。これは過去のデータの平均に基づいて算出するので、これ以上先のことを予測するのは難しいです。2099年までの予報は、ごく少数の学者が予想したものですが、この研究ではモンゴルで2011年~2030年に冬の気温が0.2~0.7度上がると予想しています。日没が早まり、夏が短くなるということですが、これは現在の状況に近いと見込んでいます。
 
―ありがとうございました。