ゴビ砂漠の珍獣、ハブトガイ(野生フタコブラクダ)編 砂漠の王様

教育
arvis@montsame.mn
2017-03-24 12:17:42

ハブトガイは、癒されるユーモラスでかわいい顔と裏腹に、屈強な体をもつゴビ砂漠最大級の草食動物だ。外見は、家畜種のフタコブラクダとほとんど変わらないが、それに比べて四肢は短くて細い 上、そのコブも小さい。 ハブトガイは、中央アジアの砂漠地帯と半砂漠などの環境で群をつくって生息するラクダ科ラクダ属の生き物。

その祖先は、もともと北アメリカ大陸で進化して400万 ~500万年前にベーリング海峡とパナマ地峡を通ってユーラシア大陸と南アメリカに移動した。北アメリカ大陸に残ったラクダ科が絶滅したが、 ユーラシアと南アメリカ大陸に移動したラクダ科が独自の進化を遂げたとされている。 現在でも、ハブトガイ、ヒトコブラクダ、フタコブラクダ のほか、南アメリカでラマや アルパカ、ビクーニャ、グアナコの近縁4種が生息する。 中央アジアの広い地域に分布されたフタコブラクダは家畜種となるが、ハブトガイはモンゴルのアルタイ山脈のふも となどに極めて少数が確認された野生種である。そのため、IUCN(国際自然保護連 合)のレッドリストにも絶滅危惧種として指定され、保護されている。

 ハブトガイに関して、家畜化されたフタコブラクダが再び野生化したものとして考えるのは通説だった。しかし、この説を覆す世界初となる研究結果が2008年に公にされた。オーストリア・ウィーン 獣医大学がハブトガイの遺伝子に関して研究を行い、その結果としてハブトガイはずっと野生のままであったことを明らかにした。 

ハブトガイの生態において は危険がいっぱいある。もちろん干ばつや寒雪害などの厳しい自然環境がその個体数に大きく影響すしているが、オオカミなど天敵の個体数が増加、人間活動の 範囲拡大など様々な原因で数は減っている。 その個体数は、1943年に約 300頭が推測されたが、1943 ~74年の間にその個体数が約 900頭まで増えた。しかし、その2年後の1976年に個体数が約400頭まで激減した。6年間で 約800頭まで数は増えたものの1993年まで数は約320頭まで激減した。そして1997年に約1800頭も推測された。2012年にその数は約1000頭前後とされている。

モンゴル政府と国際動物保護団体などの努力のおかげもあって、その個体数は1000頭前後に維持されている。ハブトガイの狩猟は1930年から禁止されている。 

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