インベスト・モンゴリア投資フォーラムを開催、経済現状や投資環境について協議

経済
arvis@montsame.mn
2016-09-12 11:53:10

5日と6日、シャングリラ・ホテルでモンゴルの投資環境について協議する第10回インベスト・モンゴリア投資フォーラムが開催された。

フォーラムでは、外国の投資家たちは「モンゴルに投資するか」という質問に「まずは考える。利益があれば投資する」との答えをぶつけた。一時期、モンゴルは豊富な資源で経済が飛躍的に成長し、海外直接投資も増えていた。しかし、資源価格の下落や法的環境の悪化により経済成長が急落した。

下落に伴い、投資家のモンゴルに対する信頼も失われているという。そこで、投資家の大半は熟考のもと、持続的かつ利益の見込める計画のみにしか投資する意欲を示さなかった。。

一方、投資家にとって明るい情報もあった。それは、年明けから金の価格が上昇しつつあることだ。また、今後は石炭価格も上昇する見込みで、技術を活かすことで、石炭は様々な分野で利用可能であるということが価格上昇に影響するという。

出席者の大半は海外直接投資の増加に伴い、高騰している米ドルが安定すると語った。そのため、政府は投資環境や投資家にとって望ましい法的環境を整え、予算収入の大半を占めている鉱業分野に対する政策を重視する必要があるとの声も出た。

投資環境の復帰について「ゼネラル・エレクトリック」社のTs.トゥメンツォグト社長は「持続的な投資環境を整えれば、投資が短期間で持ち直すことはありえます」と述べた。

フォーラムに800人余りが出席しており、主催者のフロンティアLLC創業者兼CEOの井形正晃氏は「フォーラムの出席者は年々に増加しています。これは、モンゴルに対する投資家の信頼は失われていないということの証拠であります」と語った。

フォーラムではモンゴルの経済現状についても協議された。現在、臨時国会では、2016年度国家予算法の改正案や補正予算など今後の対策を審議しており、政府は8種の税金を増税する政策を提案している。税金の引き上げについて出席者の大半は反対の意を表した。

一方、景気回復についてモンゴル国立大学のCh.ハシチョローン教授は「モンゴルは世界市場に比べて安価に石炭を中国に輸出しています。世界市場では石炭価格が下落し、モンゴルの経済も不景気に直面しているが、今後、世界市場の価格で各国に輸出する政策を実施すれば予算赤字を減らすことが可能です」と強調した。また、政府が正しい政策を実施すれば短期間で景気が回復する、と語り、今でも投資家の関心を引き寄せていると述べた。

フォーラムで出席者の関心を引き寄せた議題は再生可能エネルギーであった。北東アジア地域6ヵ国のエネルギー需要は来る20年間で世界平均エネルギー需要より2倍も増加する見通し。

石油、天然ガス、石炭埋蔵が豊富で、再生可能エネルギーの生産が盛んな同地域にエネルギー需要で世界トップの国々が含まれている。また、それらの国々は世界経済の5分の1を占めているという。地域だけでなく、経済成長で世界をリードしている中国、韓国、日本が直面している課題はエネルギー供給である。 そこで、再生可能なエネルギー生産が盛んなモンゴルは国内外の投資家たちを引き寄せていると「ニューコム」社のD.ガンホヤグ社長が語った。

投資家たちは2日間にわたってモンゴルの投資環境や経済現状について協議し、引き続き12月に東京で開かれるフロンティア・カンファレンスで集合する。モンゴル・日本間で発行された経済連携協定(EPA)を巡る協議を実施するほか、新政権の来る4年間の計画を日本の投資家に説明することになった。

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