「NURA」早期発見診断センター設立

社会
l.naranzul@montsame.gov.mn
2023-09-18 09:56:24

9月17日、「タワン・ボグド」グループ社は医療機器のリーダーである富士フイルム株式会社の早期発見診断技術を元に、年間最大3万人に医療サービスを提供できるNURAモンゴル・センターを開設した。


開会式に、後藤禎一富士フイルム社代表取締役社長、ツァガーチ・バータルサイハン「タワン・ボグド」グループ社社長、ロブサンナムスライ・オユンエルデネ首相、ソドノム・チンゾリグ保健大臣をはじめ、関係者らが参加した。


NURAセンターは富士フイルム社のコンピュータ断層撮影(CT)やマンモグラフィなどの医療機器と、医師診断を支援する人工知能(AI)技術を活用し、癌や生活習慣病の早期発見に向けた診断サービスを提供できる唯一のセンターである。同センターは僅か2時間で、最も一般的な10種類の癌と10種類の生活習慣病・慢性疾患を32種類の検査セットで、進化した人工知能を使用し、99.6%の確率で早期発見および診断する。医師が気づかない病気の症状も認識し、医師の意見やアドバイスを画面上にわかりやすく提示し、サービスを提供する。




Ts.バータルサイハン「タワン・ボグド」グループ社社長が開会の挨拶で「この予防的早期発見診断を通じて、ライフスタイルに起因する病気の合併症を早期に発見することにより、迅速な治療につながり、死亡率を減らし、モンゴル人の平均寿命が延びる」と強調した。


モンゴル憲法第 17 条2 項の「自分の健康を守ることは国民の義務である」に従い、自分自身と愛する人のために健康的な生活習慣を身に付け、早期発見すれば治癒することを忘れず、定期的の予防検査が必要である。定期的早期診断は自分だけでなく、家族や社会への貢献にもなる。

「NURAモンゴル・センター」の診断を希望の方はwww.nura.mnホームページにアクセスし、予約した上で受診可能である。


NURAセンターの開会式に当たり、後藤禎一富士フイルム社の代表取締役社長にインタビューを行った。




――モンゴル人にとって90年の歴史を持つ富士フイルム社と言えば、写真印刷事業が頭に浮かぶと思いますが、弊社が導入する先端技術及びその開発について教えてください

富士フイルムは、来年1月20日で創業90周年を迎える。1934年に会社を創業し、その2年後に医療用レントゲン・フィルムの製造を始めた。それが富士フイルムが医療に携わった最初の商品である。それから1983年、世界で初めてのデジタル・ラジオグラフィ(DR)をはじめ、医療のデジタル機器を発売した。現在は、超音波診断、内視鏡、CT検査、MRI検査、血液検査及び医療のAIを含む情報技術(IT)が大きな部分を占め、富士フイルム全体売上の3割がヘルス・ケア、総利益の4割がヘルス・ケアによる利益であり、現在、一番力を入れている分野である。


――富士フイルム社がNURAプロジェクトを開始した理由は何でしょうか。

私がシンガポールに駐在した時、周辺国であるパキスタン、バングラデシュ、スリランカ、ネパール、ミャンマー等を見て、医療の事情が非常に遅れていることがわかり、これを何とかしたいなという思いを持ったことが最初である。現在、画像診断医療機器をほぼ揃えたため、検診を目的に、まずインドで検診センターを立ち上げた。世界の進行国向けに100拠点の開設を目指し、今はインドで3店舗を設立し、4軒目がモンゴルになっている。


――モンゴルの医療分野においてAIが非常に新鮮な概要になりますが、一般国民がAIが医師の代わりに活躍すると解釈しているかもしれません。そのことについて、教えていただけますか。

AI活用により、診断効率や病院の経営がすごく上がると思う。NURAにも設置されている大型CT機械は、AIを挿入し、低線量及びX線の量を少なく、体に負担をかけないように診断を実施している。これがAIの一例である。もう一つはレポート、カルテ作成等作業をAI活用により効率よく行っている。医師は最終的な判断をするが、それに至るまでの過程がAI活用により、もっと正確な、見逃しのない診断に繋がると考えられる。


――日本人の平均寿命が世界で最も長いと知っています。その背景には、日本の「人間ドック」早期発見・早期診断文化があるからでしょうか

それは間違いないと思う。日本は世界で一番長寿国である。例えば当社富士フイルム社員向けの健康診断センターが横浜市にある。そこでは、CT、X線、マンモグラフィに加え、内視鏡検査を行っている。内視鏡では、胃、大腸、両方を検査しているため、富士フイルム社の従業員では胃癌、大腸がんで亡くなる人はゼロである。従い、早期発見というのは間違いなく長寿に繋がる証拠である。是非、モンゴルの皆様の早期発見・早期診断・早期治療に貢献し、皆様に長生きしていただきたいと思う。


――NURAプロジェクトを東南アジアや中東アフリカ諸国で開設予定だと聞きましたが、なぜ最初にモンゴルで設立しましたか。

癌や生活習慣病・慢性疾患が大半を占めていると聞いた。NURAの検診サービスを広めることにより、少しでも皆さんの健康における生活質の向上に役立てればと思い、モンゴルに来た。その中で、なぜインドの次にモンゴルかと言えば、「タワン・ボグド」グループ社のバータルサイハン社長のスピード、判断、決めたことを直ぐにやるという実行力が抜群だったため、インドの次にモンゴルでNURAセンターを展開することが可能になった。