製油所と原油パイプラインの建設開始

経済
b.undrakh@montsame.gov.mn
2023-05-07 10:47:44

428、ドルノゴビ県アルタンシレート群で、製油所の主要および付属施設(EPC2)と火力発電所(EPC3)からなる製油所、ならびに原油パイプライン建設の起工式が行われた。

 起工式に、国会議員、モヒンデル・パラタプ・シングフ在モンゴル・インド国特命全権大使、D.アルタンツェツェグ・モンゴル製油所公社社長と関係省庁と請負業者らが参列した。同事業の実施機関はモンゴル製油所公社であり、管理コンサルタント業務をエンジニア・インディア社が遂行する。


 建設工程は下記の4期により実施される。具体的には:

  • 1期(EPC1)の非技術的施設の建設進捗は2021年に始まり、現在80%の進捗であり、2023年第3四半期に完了予定である。
  • 第2期(EPC2)では、49の貯蔵タンク、製品の積み降ろし用施設をはじめ、基本的且つ技術的補助施設を建設する。
  • 第3期(EPC3)では、製油所への電力と蒸気を供給するため、35メガワットの火力発電所が建設される。同発電所の蒸気タービン発電機はドイツのシーメンス社、ボイラーはドイツのティッセンクルップ社が製造している。第2期と3期の建設は、インドのメガ・エンジニアリング・インフラ社が請負業者として選定され、202210月の契約締結後、工事を開始した。設計製図はスペインのインテクサ社とイタリアのSTFサーモテクニカ社が手掛けている。両パッケージの建設工事は、2025年第4四半期に完了予定である。
  • 第4期(EPC4)の技術設備、調達及び総合建設を行う業者の入札が完了し、選定業者との契約準備が開始したと言う。



 さらに、中国国営のNORINCOグループ公社(中国兵器工業集団有限会社)が原油パイプライン建設事業の請負業者に選ばれた。ドルノド県マタド郡とハルハゴル郡の地域に位置するタムサグ油田から、製油所が建設中の ドルノゴビ県アルタン・シレー郡まで全長530㌔の揚水・加熱ポンプ付き原油パイプラインの建設工事を行う。起工式に参加した同グループ副社長は、410日に契約が締結され、製油所の稼働と同時にパイプラインも3年間で完成予定だと述べた。設計図はカナダのヴォーリー・パーソンス社が実施している。なお、政府は2020年に原油のパイプライン輸送は、費用を最小限に抑える以外、完全および部分的自動管理ができ、大気汚染や騒音など環境への悪影響がなく、年間を通じて継続的輸送が可能になる利点があるとし、原油パイプラインの建設を決定した。



 同製油所及び原油パイプライン工事は、専門的知識および経験を必要とする複雑で大規模な作業であり、2025年内の稼働を目指し、インド、中国、イタリア、フランス、ドイツ、アメリカ、オランダ、スペイン、カナダなどの国々から多くのエンジニアと専門家が、この経済協力の象徴となるハイテク重工業団地の開発に携わる。


 ドルノゴビ県アルタン・シレー郡では、製油所以外に、タワントルゴイ・ハンギ・マンダル方面の鉄道線の建設工事が進行中である。国内で燃料精製を行い、供給する同製油所の創設は国の経済発展において強力な支えとなり、同県は新産業の中心地となる事が期待される。