日本モンゴル50周年認定事業の「モンゴルビジネスコンテストMBA杯2022」を開催

経済
bolormaa@montsame.gov.mn
2022-03-11 07:51:36

MBA交流クラブ」が主催する「モンゴルビジネスコンテストMBA2022」が36()に中央大学ビジネススクールで開催された。

これは、日本全国のおよそ 2000名のMBA(経営学修士)ホルダー及び現役社会人学生が参加する「MBA交流クラブ」が主催するビジネスモデルのコンテスト。第一回となる今回は、「モンゴルを舞台にした新しいビジネスの開発」をテーマに、日本全国より全11大学院24チームが参加。審査員は、協賛のモンゴル貿易開発銀行東京駐在員事務所の内田所長、中央大学ビジネススクール丹沢教授(新興国戦略論が専門)、元在モンゴル日本国特命全権大使である清水中央大学モンゴル学特任教授。さらに三菱UFJ銀行ウランバートル駐在員事務所の菊地所長、三井住友銀行ウランバートル出張所のバータルフー・ホスジャルガル副所長、既にモンゴルで事業展開を行っている一般社団法人国際営業代行協会の高橋理事長が行い、厳正なる審査の結果、本選へ6チームが進むこととなった。このイベントは、日本モンゴル外交関係樹立50周年記念認定事業として、日モ双方の外務省から認定された他、本邦経済産業省からも後援されており、まさに日モ間の「産官学」が揃うイベントとなった。ビジネスエキスパートともいえる日本全国のMBAホルダーに対して「モンゴル」という市場における新たなビジネス開発の提案を求めることで、普段、あまり縁のないモンゴル国への関心を涵養し、将来、各々の業務・立場でモンゴルにおける業務開発を志してもらうことを目的としたものである。

本選へ進出することとなった上位6チームの出身大学院は、グロービス経営大学院(2チーム)、一橋大学大学院、ビジネス・ブレークスルー大学院、名古屋大学大学院、中央大学大学院の各校。コロナ禍の折、リアルでの観戦は人数制限があったものの、当日の本選の様子はYoutubeでもライブ配信された。各チームが、日々の仕事を抱えながらも、短い時間の中で、モンゴル市場を調査・分析し、多角的かつ複眼的な観点から将来有望なビジネスモデルを提言するという熱戦が終日繰り広げられた。

最終的に優勝したのは、グロービス経営大学院の「いなご裸イダー」チームで、「モンゴルの高度人材を活用した『デジタル広告エージェンシー』企画」が優勝した。内容は、モンゴルに「Digital Agency of Mongolia LLC」を開設し、日本で受注した広告宣伝案件を、モンゴルの高度人材を下請けの形で発注し、廉価での広告宣伝事業を展開する」という内容。チーム中心の稲木氏は本邦の大手コンテンツ業「KADOKAWA」のプロデューサーであり、日本側での広告宣伝案件の受注には懸念ないという発言が決め手のひとつになった。また、モンゴルの高度人材への日本語教育と日本語ビジネス指導も構想のうちのひとつ、というSDGsの観点からも高い評価を 得ており、且つ、装置産業ではない、少額な資金力の会社でも、優秀なマンパワーを活用することで、高い付加価値を創出することが可能、というコンセプトもその理由のひとつとされている。優勝チームは、コロナ禍が収まった頃に、モンゴル市場視察旅行が提供される予定。

さらに優勝に加えて、中央大学ビジネススクールの「ZEN-KU-KAN」チームが、特別賞を受賞した。モンゴル人学生一名を含むこのチームは、北米市場で流行している「ウェルビーイング」の波に乗り、モンゴル産フェルトのマット、スリッパ、アロマやキャンドル、フードを越境ECを介して輸出しつつ、僧侶の訓話と指導をオンラインで提供、仏教の「禅」を通じた精神安定・心の豊かさを創り出す企画。常々、モンゴルの経済振興策においては、モンゴル国内の市場開拓や、輸出産品による海外市場の開拓が話題になるが、この企画はモンゴルの伝統的なフェルト産品を単純に欧米先進国市場へ輸出することに限らず、「禅」というスピリチュアルな側面を織り交ぜて、購買力の高い北米市場へ輸出、「モノ」消費から「コト」消費への転換を図るビジネスモデル。加えて、少額の資本金でスタートアップが可能で、モンゴル産品の北米輸出においては、ゲスト参加していた物流業コンサル「NOPAT」社の久保社長も高い関心を示したもの。同チームのモンゴル人学生トゥブシンジャルガル氏は、MBA 課程修了後には、自ら社長となって、この企画を起業したいと抱負を述べていた。この特別賞は、プロジェクト実行に必要な企業開設の為の資本金の半額までが拠出される、という今までにない賞金であり、今後の展開が大いに期待される