リオ・ティントが妥協案、政府が慎重な対応

経済
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2021-09-02 12:38:30

 英豪資源大手リオ・ティントはこのたび、オユトルゴイ開発プロジェクト第2フェーズを巡る問題で、モンゴル政府に妥協案を提起したことを明らかにした。830日、情報サイトのアイコン等、国内メディアが報じた。 

 報道によると、オユトルゴイ開発プロジェクト出資者のリオ・ティントとカナダ系資源開発ターコイズ・ヒル・リソース社が交渉妥協に関する書簡を送付したというその内容はリオ・ティントが675000万米㌦の超過費用問題を解決するためにモンゴル側が本来支払うべき利息債務負担の緩和、プロジェクト管理と財政改善、2210月までの坑内掘り稼働を目指すものであった。 

 第2フェーズを巡る問題で、8月下旬に発表された専門家グループの審査結論を機に両者の溝が埋まっていた。リオ・ティントらは、第2フェーズについて「地盤工学的視点から設計見直しが必要だ」と訴え、稼働期間の延期と超過費用がやむを得ないとしていた。一方、専門家チームは「管理ずさん」と指摘。 

 オユトルゴイ開発プロジェクトは最大級の外資系鉱山開発で、数千人規模の雇用を創出しており、坑内掘りが稼働すると、年間生産50万㌧という世界最大級の銅鉱山の一つとなるが、本プロジェクトに係る課税や財務に関する契約を巡り、モンゴル政府との対立が激化した。リオ・ティントとモンゴル政府はオユトルゴイ社を合弁して設立。これを通じて共同出資した。だが、モンゴル政府は債務返済が完了しない限り、本事業からの利益見込みが難しいという。同社の債務残高(6月時点)は79億米㌦で、支払利子は19億米㌦に上る。 

 リオ・ティントとターコイズ・ヒルは、今後3年で納税金とローヤルティ税金以外にモンゴル政府に対して35000万米㌦を支払うことを提案したほか、オユトルゴイ社の株主構造について真剣に協議し、坑内掘り稼働に向けて建設的な交渉を望んでいる意向を示したという。 

 一方、ヒシゲー・ニャムバータル法・内務相は31日の閣議後、記者会見に臨み、リオ・ティントからの書簡について発表した。ニャムバータル内務相によると、リオ・ティントが坑内掘り稼働延期について謝罪し、今年度を含む今後3年の納税金1兆トゥグルグを前払いしたいと申し出たという。 

 なお、リオ・ティントはモンゴル政府の収益を急ぐため、オユトルゴイ社からエルデネス・オユトルゴイ公社に支払う利益配当を前倒しするほか、投資に係る債務負担の減額に向けた調整のための合同ワーキング・グループを立ち上げる余地があることを表明した。エルデネス・オユトルゴイ、即ちモンゴル政府が支払うべき債務残高が23億米㌦であり、その減額調整が可能であるという。また、ニャムバータル内務相は、リオ・ティント側が建設的な交渉を進めるため、ロンドン国際仲裁裁判所の反訴手続きを一時中断してほしいと要望したことを明かした。ニャムバータル内務相は、「モンゴル側は電力需給に関する交渉入りの余地がある」とし、コストオーバーランについては、「今後の対話を通じて解決できるだろう」と意欲を示した。また、モンゴルの収益拡大と債務減額に向けて交渉する余地があると、同氏はアピールした 

 バヤルサイハン・ソロンゴ内閣官房次官は、リオ・ティントについて「超過経費は2回もあった。1回目は容認したが、2回目の145000万米㌦について専門家グループの審査を委託した」と説明するとともに、「オユトルゴイ社からエルデネス・オユトルゴイ公社へ提示する情報が詳細でないとダメだ」と指摘。さらに「ロンドン仲裁の原告側はリオ・ティントらだ。裁判はおそらく続くだろう」とし、「坑内掘りの稼働延期はマイナスであった。だから、リオ・ティントは前払いを提案した。但し、我々はプロジェクト中断を望んでおらず、坑内掘り事業を双方の利益になる形で進めたい」と、ソロンゴ次官が語った。なお、ソロンゴ次官はリオ・ティントとの交渉について「対話による解決を探りたい」とし、「政府が保有する34%の利権についてまだ決定がない」と言明を避けた。