世界銀行、世界経済見通しを発表、モンゴル経済成長率マイナス4.3%に下方修正
経済
世界銀行(WB)が1月5日公表した半期に1度の世界経済見通し(GEP)では、第2次世界大戦後、最も深刻な景気不振があり、今回の新型コロナウイ
ルス感染拡大の影響を受け当時より世界経済の回復が遅れるとの見通しが発表された。欧米圏の成長率予想を昨年6月時点の予想4.2%を4%に下方修正され、中国の経済率を1ポイント引き上げ7.9%とした。一方、モンゴルの2020年の経済成長率は、昨年6月に予想したマイナス4.7%を下回るマイナス5.2%と予想され、2021年について昨年の4.9%を4.3%に下方修正したと、1月6日、ブルームバーグ・モンゴリアが報じた。世銀は、新型コロナウイルスが直撃した昨年よりは回復して4%にな
ると世界経済の成長率を予測しながら、先行きについて、「見通しにくい。深刻な場合は、再びマイナス
成長の恐れもありえる」とした。一
方、世銀は東アジア・太平洋地域の新興国・途上国における新型コロナウイルス感染対策が財政赤字膨張を強いており、モンゴルやパラオ、フィジーなどは多額な政府借入を行ったと指摘。また、経済成長減速及び
社会福祉費に係る歳出拡大などで、政府負債が膨らむ。一方、モンゴル
やマレーシア、ラオスの場合は、政
府借入の国内総生産(GDP)比率が
60%超えだという。モンゴルと中国の場合は、負債総高はGDP比率が3倍と、世銀が懸念した。世銀は回復をけん引するのは中国で、その回復を原動力に新興国と途上国の経済も成長するとした。
また、世銀は新型コロナの影響で、大
勢の人々が貧困に陥り、所得を失ったが、ワクチン接種により今年と来年は信
頼感と消費、貿易取引が押し上げられると期待を表明。他方で、新興国でのワクチン普及が大幅に遅れる可能性があるほか、新興国の財政逼迫などが深刻になりかねないと、対外債務負担の軽減に向
けた財政支援、各国の連携が欠かせない
と、多国間協力を呼びかけた。