バトツェツェグ外務副大臣:「この案件は実務レベルで検討していない」

政治
naranchimeg199@gmail.com
2019-03-05 09:55:48

 外務省は2月20日、上海協力機構(SCO)加盟を巡る問題について声明を出し、モンゴルの外交路線を改めて表明した。これについて、バトムンフ・バトツェツェグ外務副大臣に聞いた。


――世間的に上海協力機構への加入に関して賛否両論があるようですが、これに関してご自身の立場を聞かせてください。

 政治家や学者らがそれぞれの立場でSCO加盟について意見を言っている。これはごく当たり前の事です。民主主義かつ自由が保障された国ですから。しかしながら、これに対して政治色が濃くなっているのでは、と警戒心もあります。そのため、外務省が声明を出しました。問題に対する賛否両論は当然あるでしょうが、隣国に対する侮辱や軽視行為などが、相手に不快感を与えかねないため、不適切だと思います。外交問題を国内政治でヒートアップさせることは、相手外国に不快と失望をさせてしまう恐れがあります。


― ― 部有識者の間では、SCO加盟がロシアと中国の影響下に入ることを意味するなど、世論の警戒心を煽っていますが、これについてどうでしょうか

 外務省は、SCO加盟問題に係る立証できる根拠に基づくすべての意見等を歓迎しますが、憶測だけでの推測は間違えた方向性、結論に先導してしまいます。隣接する2大国がモンゴルを影響下に収めることを念頭なら、SCO加盟を通すという形の必要がないと思います。SCOがあるにせよ、ないにせよ、それを望むなら出来る国力がありますから。1対1なら、圧力がかけやすいが、多国協調の枠組みなら容易に圧力を受けなくなります。ロシアは、例えば、モンゴルの独立主権へ決定的な役目を果たしました。今年は、ハルハ河戦争勝利80周年を祝います。ロシア人兵士の犠牲を払ってこそ、独立主権を保持できたことです。それを台無しにして、主権や独立を失うことを望んでいるかの話です。隣国は、この論争を聞くと、びっくりするでしょうね。中国もモンゴルの独立を承認した4番目の国です。我々の関係が悪化したり、良好になったり、色々な側面を教訓としているが、そのどれでも、隣国はモンゴルの主権と独立を尊敬するとの立場を崩しておらず、協力関係を維持させてきました。だからこそ、モンゴルの外交路線は、2国とのバランスを取ることです。戦略的パートナー国です。外務省は、この問題に対する論議を歓迎するが、隣国に対する根拠なき偏見を警戒しています。


――「SCO参加昇格に向けた研究調査を始めており、これに関連して政治や社会面での論議入りした」という大統領発言がありますが、具体的取組を明かすとどうでしょうか

 昨年、外務省がSCO加盟に関する調査要請を受け、その後、人民党院内会派会議や国会本会議で調査報告書を発表しました。これは調査発表だけでした。また、2018年の中国・青島で開かれたSCO首脳会議での大統領発言については、この首脳会議出席に関する政府指針に基づき、SCOとの関係に関し、国会安全保障・外交問題常任委員会、国家安全保障会議で議論されたことを指していると思います。外務省は、こうした事態を踏まえ、調査研究を展開しており、インド、中央アジア諸国、ロシア、中国などへ調査研究を目的に調査員派遣に向けて関係者と協議しています。別に議論が差し迫ったり、急いだりした事項はありません。また、地域及び国際機関に対する加盟という事項は、様々なことを充分に考慮した上で決定するものです。モンゴルは、SCOが設立してからずっと傍聴して研究対象にしてきました。世界最大の民主国家のインドとパキスタンが加盟してから、SCOのあり方も変わり、これに関連して研究姿勢も変えないといけなくなりました。SCOの現状、協力の方向性、目的、動向は、変動期の国際関係と、どう調和するか、発展のあり方がどう変わるのか、などの問いがあります。外務省は、これに対して包括的な研究を展開し、公開されたアプローチをかけています。研究者など有識者の意見を聞くための有識者会議を開いています。昨年、学者などを招き、この問題を巡って特別討論会を開催しました。国内関係研究機関なども独自に討論会を開いたり、外務省が研究依頼を出したりしています。これらを総括した研究結果が相当期間をかけた末に得られるわけで、加盟するか、しないかの議論はその後になりますね。


――ソーシャル・メディアなどでは、SCO加盟が近日に決定されるとの噂が飛び交っていますが、これについて意見をお聞かせください

 現時点では、SCOに対するモンゴル加盟という案件は、あちこちで実務レベルにおいて模索したり、急いだりしないです。上述した通り、充分考慮した末、論議する余地が出来るわけです。ここで改めて言うが、国会はこの問題に対する最終決定を行うわけです。あらゆる案件に対して、公開された確実な根拠に基づく研究検証を行った末に正式な見解を表明することは、国家の役目です。SCO加盟手続きは決して容易ではありません。申請手続きが始まってから、すべての条約は国会承認を得られなければなりません。つまり、国益に反するものがあるかをチェックするわけです。その後、SCOによる加盟申請の処理と本件の承認が必要となります。加盟申請を出しても了承を得ていない国もありますから、近々の決定とは大袈裟で、無理な話ですよ。

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