2021年 国内10大ニュース

社会
bolormaa@montsame.gov.mn
2021-12-31 13:13:29

国営モンツァメ通信社は2021年にモンゴル国内で起きた10大ニュースを発表した。

 

1.大統領として6年務める初の大統領

6回大統領選が69日に行われ、与党・モンゴル人民党のオフナー・フレルスフ党首(前首相)67.8%で勝利した。

これは1999年以降行われた大統領選で、過去最高となった。20191114日に採択されたモンゴル国憲法改正法の一環で大統領の任期が6年となった。また、憲法改正法では2回目の大統領選への立候補が不可能なった。

憲法及び大統領法では国会に議席を有する政党・連合が1名を推薦できる。その一環でモンゴル人民党のオフナー・フレルスフ党首の競争相手となった正しい人間•エレクトラト連合のダンガースレン・エンフバト氏が20.3%の得票率を獲得した。エンフバト氏が選挙運動中、新型コロナウイルスに感染し、第2総合病院に入院した。これは史上初に隔離所から出馬したケースになった。なお、民主党のソドノムゾンドイ・ エルデネ元国会議員が72832票の6%で、白票が71680票もあった。


 

2.10億本の植林」全国植樹運動

オフナー・フレルスフ大統領が創案した「10億本の植林」全国植樹運動が104日に本格的にスタートした。

大統領は気候変動、砂漠化対策と徹底的に闘う目的で、モンゴルが2030年までに10億本の植樹キャンペーンを実施すると、第76回国連総会で発表したのである。従って、「10億本の植林」全国植樹運動を個人、団体、企業が支援し、全国で実施され始まった。例えば、同運動には21社の鉱山会社が参加し、2030年までに計6850万本、ウランバートル市役所と21県庁が68000万本への植樹すると、証明書に署名した。

10億本の植林」全国植樹運動準備段階は20212024年に、強化段階20242026、持続可能な段階は20272030年である。


3.オユトルゴイ問題をめぐる交渉 モンゴル側の提案に応じる方針へ

英系リオ・ティント社と加系ターコイズ・ヒル・リソース社がオユトルゴイ問題を巡る交渉で、政府の提案を受け入れ、モンゴル側の権益を増やす5件の提案を伝達した書簡をロブサンナムスライ・オユンエルデネ首相宛てに送った。

同書簡にはモンゴル政府権益34%の負担総額23億米米㌦を帳消し、2015年の坑内掘り開発及び資金調達計画(通称:ドバイ契約)を取り消し、オユトルゴイ坑内堀り事業への第3者の監査に対し容認されている。さらに、坑内掘り開発に係る2023年上半期までの超過費用の全額負担、国内電力網の電力需給等での協力促進などで妥協したい意向を打診した。同社はオユトルゴイ開発を巡る仲裁を6カ月延期し、対話解決を重視するよう提案している。

今月14日付の閣議でリオ・ティント社とターコイズ・ヒル・リソース社の提案を受け入れ、国会での審議を決定した。


 

4.過去30年で初めての豊作

モンゴルは今年571100㌧の穀物を収穫し、過去30年で初めての豊作となった。これについてザグドジャブ・メンドサイハン食糧・農牧業軽工業相が「春季の栽培時に全種の30%をエリート種に替えたほか、快適な気象状況も影響した」と発表した。

国内の年間需要は31万㌧であり、今年、542700㌧を収穫できた。加工用の植物油の栽培を増進し、38300㌧、118000㌧の野菜を収穫した。昨年度では野菜の国内需要の47%を供給していたが、今年は60%に増やした。

さらに、ジャガイモは国内需要を100%満たすが、野菜は需要の60%を供給できる状況にある。

ちなみに、ジメックス (GIMEX)社は10年にわたる実験に成功し、バヤンホンゴル県バヤンリグ郡において2㌶の耕地から10㌧の白米を収穫できたのである。


 

5.「チンギスハーン」新国際空港が開港

モンゴルと日本両国政府が共同実施した大規模な事業となる「チンギスハーン」国際空港が今年74日に開港したのである。新空港から第一便としてはMIAT航空のボーイング737-800型のOM501便が成田空港に向けて出発した。円借款の供与額は6565700万円で、設計は梓設計株式とオリエンタルコンサルタンツグ株式会社のジョイントベンチャー、施工は三菱商事株式会社と千代田化工建設株式のジョイントベンチャーが実施した。

空港建設により年間200万人の旅客処理能力があり、旅客ターミナルビルの面積は35300平方㍍。滑走路は3600m×45m×1本で、エプロンは104200㍍。管制塔、ハイドラント給油システム、格納庫、空港維持管理、機材、その他空港保安施設、消化救難施設、熱供給施設等30ぐらいの施設から構成される。

国会は新空港による衛星都市名を「新ゾーンモド」と決定した。

 


6.モンゴルで人民革命100周年記念

今年、モンゴルでは人民革命100周年だった。なお、コロナ対策とし、政府は初めて国家大祭のナーダムを来年まで延期した。

1921年にモンゴル人民内閣に決定により設立された弊社のモンツァメ通信社、情報通信局、警察署などいくつかの国家機関が100周年を迎えた。

さらに今年、モンゴルとロシアが外交関係樹立100周年を迎え、両国で92のイベントを実施し盛大に記念した。最後にオフナー・フレルスフ大統領が1215日~17日にかけてロシアを訪問し、プーチン大統領と首脳会談を行ない、「モンゴル・ロシア外交関係樹立100周年共同声明」を発表した。



7.沈没貨物船「スフバータル号」を36引き上げた

先月、1985年にフブスグル湖で沈没した貨物船「スフバータル号」を湖岸への引き上げに成功した。これは2024年までに沈没した60台余りの自動車の引き上げ作業の始まりとなる。どう沈没船の長さ43.3 ㍍、幅8.4 ㍍、高さ5.7 ㍍、総重量309㌧だった。

旧ソビエト連邦とモンゴル政府の1956年付の貿易協定の一環で、ソ連Krasny Sormov社は同船を設計した。運航時は、旧ソ連邦からモンゴル西部フブスグル、ザブハン、オブス、ゴビアルタイ県へ燃料やその他の用品を輸送するという重要な役割を果たしていた。沈没した当時400㍑の機械用オイルが搬送されていたが、120人の救助隊や他の関係者が約50台余りの機械で無事に保護できた。

 



8.東京五輪・パラリンピックでモンゴル代表チームがメダル5個獲得

東京2020オリンピック競技大会が723日~88日にかけて開催され、モンゴルが10種目に43人の選手が出場し、銀1個、銅3個獲得し、メダル数で47位にランク付けられた。例えば、イラン出身のサイド・モライ選手が柔道男子81㌔級で銀メダルを、柔道女子48㌔級でムンフバト・オランツェツェグ選手、男子73㌔級でツォグトオチル・ツォグトバータル選手がそれぞれ獲得した。4年毎に開催となる五輪とパラリンピックはコロナウイルスのパンデミックを受け、初めて1年程度延期された。

なお、五輪から16日後に開催されたパラリンピックでモンゴルから6種目に11人の選手が出場し、技能と力を競った。同大会のパワリフティング種目でエンフバヤル・ソドモムピルジェー選手が107㌔級で競い、245㌔でパラリンピックの新記録を樹立し、1位に輝いた。この成績からはモンゴルは168ヵ国から59位になった。


9.モンゴルに国際基準に合った初の「「アイス・アリーナ」」が開設

モンゴルのウィンタースポーツや文化分野に重要な役割を果たす「アリス・アリーナ」のオープンセレモニーが929日、ハンオール区でのシン・ヤールマグ団地で行われた。モンゴルにはない新しい技術、エンジニアリングソリューションを導入した同アイス・アリーナの観客席数は26003600席で、ホッケー、フィギュアスケーティングなどウィンタースポーツの他、バスケットボール、バレーボール、ボクシング大会、コンサート、会議も開催できる。これはアイス・アリーナの他に、2100席のスポーツ宮殿、10レーンの水泳場、サッカー場、技術センターを含むスポーツ複合施設である。


10.コロナワクチンに人口の66.4%が2回目の接種を

 世界的に流行となった唯一の疫病対策はコロナワクチン接種であり、モンゴルはその接種率で上位に入る。

1220日時点ではコロナワクチンの96.1%が一回目、66.4%二回目の接種を受けている。なお、ブースター接種を85万人が受けた。

世界各国がコロナ対策でワクチン接種を強化している。初のワクチンをロブサンナムスライ・オユンエルデネ首相が223日に受け、本格的にワクチン接種が始まった。

モンゴルは国際ワクチン供給の「COVAXファシリティ」により、ファイザー、アストラゼネカ、シノバック製のワクチンで予防接種を実施している。