壮大な南ゴビ1800㌔、車の旅: 1000頭の「ラクダ祭り」、アルタイ山脈の絶景

社会
naranchimeg199@gmail.com
2019-03-14 11:17:17



 モンゴル冬の観光の目玉は、3月初旬に連続して開催される3大イベントだ。フブスグル湖の「アイス・フェスティバル」に始まり、次にUBで開催される「イーグル・フェスティバル」、最後は南ゴビの「ラクダ祭り」だ。今回、日本人男女4人と通訳、運転手の6人がロシア製UAZ452(フォルゴン)に乗って「ラクダ祭り」を取材するため、南ゴビ3泊4日の旅に出た。

 地元観光協会の若き会長、サナーさんが指揮を執る。南ゴビには現在7000頭のラクダがいて、それを1万頭にする目的でこの祭りが行われているとか。3年前に世界一認定のギネスブックにも載った。終日、多才なプログラムが展開され、素敵なカップルコンテストやポロリーグ戦。ラクダレースなど外国人観光客から盛んな拍手と歓声が送られている。前夜とは打って変わった小春日和に、我々はビニールシートを広げて、食べたり、飲んだり。ピクニック気分で祭りを楽しんだ。その夜は澄み切った空気に、満天の星空。村の文化センターでは子どもたちの歌や踊り。村人総出の歓迎の熱気が伝わって来た。男たちはシャガイ競技と酒に酔う。次第に周囲は深い夜気に包まれ、星明かりを頼りに宿へ戻った。粗末な村人の家に泊まるが、そこのおばさんの気働きがうれしかった。夜の10時を過ぎると、「いまからディスコダンスしてくるわ」。さっさと家を出て行くおばさん。村の1年で一番ご陽気なで楽しい夜なのかもしれない。つくづく、「遠くへ来たもんだ」と感慨に耽る。

 翌日は、50頭による最終レースの決勝戦。撮影許可を得て、18㌔先のスタート地点で陣取った。興奮したラクダは係員の制止も聞かずに飛び出す。あっという間の出来事にシャッターが切れない。車で伴走しながら無我夢中で撮る。少年騎手の中に少女も混じっていた。馬ほどの疾走ではないが迫力満点。異次元の世界がそこにあった。優勝した男の子のゼッケン番号は1。最初から勝ちを狙っていたに違いない。


(近 彩)