モンゴルの遊牧民は天気予報をSMSで受信

社会
41@montsame.mn
2017-12-06 11:43:28
    モンゴルの気候は厳しく、気温 差の激しい国である。夏は+40度 まで上がり、冬は-50度までも下 がる。数日間にかけて雪が降り、 冷え込むため、放牧されている家 畜が衰え、多くが死亡し、減少す る状況になったことを「ゾド(雪 害)」だと定義されている。
    ゾドには3種類がある。モンゴル 人はゴビ地帯に5~6㌢、平原地帯 に8~10㌢、森林地帯に12~15㌢ の雪がそれぞれ降れば「ツァガー ン・ゾド(白い雪害)」という。 ツァガーン・ゾドは長期にかけて 続くという特徴がある。「ハル・ ゾド(黒い雪害)」というのは、 冬と春に雪があまり降らなく、家 畜が水不足のため死亡することを 言う。なお、「ショールガン・ゾ ド(嵐の雪害)」とは、ゴビ地帯 に3日間、平原地帯に5日間、森林地 帯に7日間以上、風霜になることを いう。牧畜業の専門家は、過去50年 間の家畜死亡率の変動を研究した 結果、家畜頭数死亡率は年明けに 2,9%以下であれば「暖冬」、3.2 %以下を「普通」、6.9% 以上を 「不良」と分類している。そこで モンゴル国で「暖冬」になる確率 は13%、「普通」の確率は20.4% 、残りは「不良」の年に当たる。 過去60年間でモンゴル全土の65% がゾドの被害にあっている。ゾド 災害時に平均130万頭の家畜死亡の 統計がある。なお、130万頭以上 が死亡したゾドは1944~1945年に 830万頭、1950年に350万頭、1967 ~1968年に290万頭、1976~1977 年に210万頭、1999~2002年に1120 万頭、2009~2010年970万頭、2015 ~2016年102万頭計3870万頭が死ん でいる。2016年度家畜統計とゾド の死亡頭数を比べると63%に相当 する。  
    そこで、マーシーコー国際機 関は、遊牧民に気象情報を迅速に 届ける目的で携帯電話のメッセー ジサービス(SMS)を15県128郡で 試験導入した。この試験を下に、 モンゴル通信技術局と緊急事態 局、携帯電話の4社が協力し、21県 の16万6000世帯に気象情報をすば やく配信し始めた。これにより、 遊牧民は自然災害の情報を受信で きるようになった。今後、牧草地 の情報や感染病などの情報を提供 するという。