「メイド・イン・モンゴリア」ブランド、シリーズX 鉱山廃棄物を国の富に変えた 「エルドミン」工場

特集
41@montsame.mn
2017-11-27 11:31:12
 「メイド・イン・モンゴリア」シリーズではモンゴルのトップ100社のうちの一社である「エルドミン」社の製品を紹介する。
 銅・モリブデン鉱石の採掘と精鉱でアジアの大企業である「エルデネット」工場の鉱物廃棄物から純銅を取り出す試験を、当時のエルデネット工場長の故Sh.オトゴンビレグ氏が行なったのが23年前の出来事であり、これがエルドミン工場発足のきっかけであった。
 我々は言い慣れた「鉱山廃棄物」とは、不均等で含有率の少ない鉱石の山から希硫酸を使って純粋な銅カソードの精製が成功し、当時のモンゴルの「エルデネット・コンサーン」社と米国の「RCM」社が新工場設立契約に署名し、1997年2月13日、初の製品を生産した。これにより、「エルデネット・ミネラルズ・ソリューション」、つまりエルドミン社が誕生したのである。
 製造された純粋な銅カソードの品質をイギリスの「Аlex Stewart Assayers」国際的会社が確証しており、銅カソードの品質は+99,999高純度であるのはロンドン金属取引所のA級に入る。
エルドミン社には二つの工場がある。一つの工場では銅カソードを精製し、もう一つでは銅の最終製品を製造する。
 カソード銅の製造法は、溶解と電解精錬によって5~7日間で出来上がる。なお、銅電線の製造は、電線被覆、撚合わせ、シールド、シースのプロセスで出来上がる。同工場は直径1.04~8㍉の40種の銅線を生産している。シース後の電線を最終的にSpank tester機械でチェックを行なう。ここでは、全ての製品を機械により製造し、技術者は調整を行なう。
 出来上がった電線をプラグにつなぐことで電源コードや延長コードができる。プラグはモンゴルで製造しないので、中国から購入する。モンゴルでもプラグ生産は可能だが、これには資金が必要だ。また、全てを一社だけが製造するのは良くない。一社だけが成長し、他社は伸びない。他国では一社は電線を、もう一社はプラグを、さらに一社はコンセントを製造し、組立はほかの会社が行なうと、同工場の専門家らは話している。ニュー・スタートは簡単ではない。以前、モンゴルではこのような工場はなかったので、スムーズに発展したとは言い難い。エルドミン社は2004年までは赤字だったが、翌年から黒字になり、直径8㍉の電線を製造し始めた。銅カソードと、銅線の価格は異なる。加工銅の価格は安定しているが、銅カソードは毎月変動する。
 ロンドン金属取引所では銅カソードより銅線は300~400米㌦高い。なお、銅線は1トン1万~1万1000米㌦に上る。加工銅線を両隣国のロシアと中国に提案したが、興味を寄せなかったので、韓国の列車一車両を輸出してから取りやめたという。なお、巻き線も作り始めた。しかし、「モンゴルではこの部門はまだ発展していなかったので、分からないことが多くあった。わが社の58%を米国のMSR社が所有しているが、彼らからも教えられずに最終製品を製造したのだ」と、エルドミン社のJ.バートル社長が誇らしく語っていた。
 同社の生産している40種類の電線はモンゴル国の規格MNS60227に合致しており、2012年から銅線で延長コードを製造し始めたのが、国内の重要な製品になっている。モンゴルは延長コードを中国から輸入しており、その品質が悪いため、経済的にも損失を被っていた。これに対し、エルドミン社の延長コードは品質も高く、安価のため市場に上場してからすぐに利用者の評判を得た。しかし、銅カソードの販売から主要な利益を得ており、延長コードと電線の生産からはほとんど利益を上げないという。なぜかというと、モンゴルの市場が小さいからだ。海外に輸出しようとすると、直面する主要問題は加工製品からは税金が取られるため、自国の製品を優先するからだ。最後にモンゴルの銅カソードの最初の工場はここ20年間にビジネス業界で充分に成長し、同社の製品はモンゴル品質を世界にその名声を広めて来た。

 
本社記者:B.ザンダンフー