世界銀行:モンゴル経済成長率5.2%と予測

経済
l.naranzul@montsame.gov.mn
2023-04-26 12:31:16

 世界銀行(WB)年次報告書の経済レビューによると、モンゴルの経済は今年5.2%成長すると予測されている。

昨年の経済成長率が4.7%となり、鉱業部門における生産と輸出の拡大が、アフター・コロナのサービス部門の回復に波及した。さらに、労働市場の改善に伴い家計消費が維持され、公共投資の拡大が経済成長の下支えになると期待。一方、厳しい冬の影響で農業部門の生産が鈍化予想。しかし、コロナ後の制限緩和により観光部門が活性され、農業部門のマイナスを補うという。

 今年のインフレ率は9.5%と予想される。一方で輸入インフレに関しては、燃料や食料価格が上昇傾向にあるが、昨年同期と比較すると上昇率が鈍化する。これが国内の消費及びインフレ率に抗力すると、同行のホセ・ルンツ主任エコノミストが懸念を示し、「財政赤字は2023年に残る予想。輸入増加とモンゴル開発銀行(DBM)や国債返済があり、国家予算の歳出が歳入を、少額であるが上回る状況が国際収支に引き続き影響を与える」と述べた。

 同報告書に、先進国の金融政策引き締め、国際緊張情勢、政府債務の蓄積や石炭輸出契約の不透明性などが続くと経済成長に悪影響を及ぼすと記載。鉱業産業の開発により、経済成長が20242025年にかけ6%を超える予想であるが、内部と外部要因、深刻な気候に対する耐性向上を確保した持続可能な成長に向け、経済の多様化と構造変成が重要であるとした。

 次に、財政規律とガバナンス改革の重要性を言及し、雇用拡大や労働者のスキル向上など労働市場の包括的な情報プラットフォーム構築が必要であり、女性の平等参画、若者への機会提供、都民の労働市場参入促進が国の発展を大きく後押しすると示した。

最後に、モンゴルの外貨準備高の増加、国際収支への負担軽減、為替変動の柔軟性確保、輸出収入と金融資本の流入、重要性と効率性に応じた投資事業実施の優先順位付け等の措置を講じることが推奨された。