エルデネス・モンゴル公社、債券を発行 約88.6%をハーン銀行とステート銀行のみで購入

経済
gombosuren0625@gmail.com
2020-03-05 11:31:11

 新年早々の1月10日、国家 安全保障会議の提言に基づく年金担保貸付に係る債務帳消しに関する法案が国家本会議で成立。本法案では、債務帳消しに要する財源についてエルデネス・モンゴル(EM)公社の子会社、エルデネス・シルバー・リソースが展開するサルヒト銀・金鉱山の経済活用とその将来の見込利益を担保の債権発行による調達資金が義務付けられた。

 2月21日、EMがステート銀行、ハーン銀行、貿易開発銀行、ゴロムト銀行、ウランバートル銀行、チンギス・ハーン銀行、国民投資銀行、キャピトロン銀行等の国内商業銀行らと「年金担保貸付に対する債券発行による債務弁済に関する契約」を締結した。昨年、モンゴル政府はサルヒト銀・金鉱山の再国有化を決行した。その後、サルヒト鉱山に係る鉱業権はエルデネス・ シルバー・リソース社へ譲渡。EMが発行した債券は「エ ルデネス債」と称されており、国内市場から資金調達に成功した。契約締結の際に、 ゴンボジャブ・ザンダンシャタル国会議長は、当事者の契約調印について「モンゴルの資源は、国民の管理下にあるとの原則に基づく憲法改正に係る理念が現実的になった瞬間である」と強調した。

 一方、プレブジャブ・ガンフーEM社長は、本日は債券貸借取引に関する契約書が結ばれたとし、「各商業銀行が買い取った債券は利回りが6%で、償還期間が5年となる。 年金担保貸付の債務帳消しはモンゴル銀行(BoM)の算出方法に基づく。だから、BoMは各商業銀行と交渉入りしており、本日、同銀行らは債券を直接購入している。ハーン銀行は66.3%、ステート銀行は22.3%、残りの11.4%は商 業銀行7社がそれぞれ購入した」と語った。さらに、同氏 は「サルヒト鉱山に係る事業可能性調査もできた」とし、「鉱山開発も順調だが、債務帳消しに関連して精錬所完工を短期間で済まさないといけない」と今後について言及。 「政府がモン・アトム社、アスガト鉱山、サルヒト鉱山、 バガノール炭鉱をEM傘下に置くなど、EMを支援している」と語る同氏は、「EMは改正憲法に盛り込まれた国民の富の基金に関する理念を実現させるために当該基金について法案を策定した」と発言した。

 なお、エルデネス債発行で調達した資金は、23万人を対象に財務残高の最大600万トゥグルグ帳消し、19万人に一律100万トゥグルグ相当の証券(2021年5月21日に現金 化)給付となり、全42万人の年金受給者は、資源取得の再分配を受けられるという。