2019国内大10ニュース

特集
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2020-01-02 10:34:43

 国営モンツァメ通信社は2019年にモンゴル国内で起きた10大ニュースを発表した。 

 1. The Huロックバンド世界にモンゴルの名を響かせる 

 モンゴルの伝統芸能を現代音楽と巧妙に組み合わせ、モリンホール(馬頭琴)やトブショール(モンゴル版リュート)、口琴等の伝統楽器を使用したモンゴルの伝統音楽とロック・メタルを独自のやり方で融合させた曲を演奏するThe HUヘヴィメタルロックバンドは今年、世界にモンゴルの名を響かせた年となった。同バンドの「Yuve Yuve」、「Wolf totem」歌が2018年の秋にデビューから1か月以内にユーチューブで2500万回の再生を記録し、今年4月11日に「Wolf totem」歌がビルボードチャートのハードロック部門で首位に入った初のモンゴル曲となった。さらに、今年9月に発売された『Gereg』アルバムは半月で販売数でもビルボードチャートの1位を誇った。

 これらの業績が評価され、「モンゴル誇りデー」の11月27日にモンゴル国大統領令により、国家最高賞のチンギスハーン勲章が初めて団体のThe HUバンドに贈られた。

 同バンドは2020年からヨーロッパやスカンディナヴィア諸国でツアー公演を行う。日本では3月12日と13日に東京、大阪でツアーコンサートを披露する予定。

 2.  モンゴル・米国関係戦略的パートナーシップ関係に進展

 モンゴル国のハルトマー・バトトルガ大統領は今年、中国、米国、キルギス、インド、ロシアを公式訪問を行ない、地域及び世界リーダー国の首脳と会談した。

 バトトルガ大統領は中国の習近平国家主席の招請により4月24日~25日に公式訪問し、両国の戦略的パートナーシップ構築に向けてあらゆる分野での協力強化と互恵関係の加速で合意した。さらに大統領は広域経済圏構想「一帯一路」第2回国際協力サミット・フォーラムに参加し、北東アジア地域電力系統連携を図るための「北東アジア・スーパー・グリッド」構想の共同実施と、実施機関をウランバートルでの設立を再度提案した。7月31日、バトトルガ大統領とドナルド・トランプ米大統領と首脳会談に臨み、戦略的パートナーシップ構築に向けてのモンゴル米国共同宣言を発表した。さらに、バトトルガ大統領は9月19日~23日にかけてインドを公式訪問した。この際、国内需要の7割を賄う製油所建設に2億3600万米ドルの追加融資の決定をインド政府が発表した。大統領はキルギスのビシケクで開催された第19回上海協力機構(SCO)首脳会議の際、ロシアのウラジミール・プーチン大統領、中国の習近平国家出席と会談し、三カ国の経済回廊構築に向けての事業促進に関して意見が交わされた。そのほか、プーチン大統領、安倍首相、モディ首相とも会談し、今後の協力促進について立場を表明した。

 3. 天然ガスパイプラインをモンゴル領土経由で合意

 モンゴルのオフナー・フレルスフ首相は10月10日~12日にカザフスタン、12月3日~6日にロシアを訪問した。ロシア訪問ではモンゴル・ロシア・中国間の経済回廊の一環で両隣国を結ぶ天然ガスパイプをモンゴル領土経由の意見をロシアが全面的に支持し、共同調査を開始した。

 フレルスフ首相はカザフスタンへの訪問の際、両側は民事及び刑事事件に関する法律相互扶助、教育分野における協力、教育公文、学位の相互認証、獣医、検疫における協力等、7件公文書に署名した。

 4. 「ハルハ河戦勝80周年」とプーチン大統領

 ハルハ河戦争にモンゴルとソ連戦士が勝利した80周年を記念し、ハルトマー・バトトルガ大統領の招請により、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、9月2日~3日にモンゴルを訪問した。訪問ではモンゴル・ロシア両国関係が新段階の総合戦略的パートナシップ関係に持ち上げられた。

 プーチン大統領のモンゴル訪問では両側は10件公文書に署名のうち、「友好関係・総合戦略的パートナシップに関するモンゴル国・ロシア国間協定」だった。両国大統領はハルハ河戦勝80周年記念行事に参加し、記念周年を迎え、ハルハゴル郡に「シネ・ソム(新しい郡)」建設プロジェクトにロシアのロスネフチ国営石油会社が800万ユーロを融資し、遠隔地の住民が最新技術により整備された定住地で生活できるようになった。

 5. 製油所のインフラ整備完了高速道路開通

 ドルノゴビ県アルタンシレー郡に年間150万㌧生産の製油所の建設事業が2020年秋からスタートする。なお、サインシャンド駅から製油所までの機械設備、機材輸送の27㌔の鉄道敷設、17㌔の舗装道路、110キロワットの送電柱の建設工事が計画通りに今年10月に竣工し、製油所建設現場への機械設備、建築材の輸送が可能になった。

 インド輸出入銀行から12億㌦の融資(期間20年)により建設される製油所は2024年開設され、年間150万㌧を製油し、国内需要の7~8割を賄う。

 そのほか、トゥブ県セルゲレン郡に建設された新ウランバートル国際空港を首都ウランバートルと結ぶ全長32.2㌔、幅31㍍、全6車線の高速道路が7月に開通された。これはモンゴル初の高速道路であり、中国政府の1億4030万米ドルの緩やかな条件付き資金により3年間で建設した。

 6. 最古モンゴル語書籍が政府庁舎に匈奴時代の銀製龍が世界に

 現在発見された最も古代のモンゴル語書籍は1400年前の「フイストルゴイの書物」が政府庁舎に祭られた。

 最古の書物とされていた「チンギスの石」の書物は今より600年前に属していた。「フイストルゴイの書物」は1967年にボルガン県モゴド郡フイストルゴイ地で発見されたもので、2014年にドイツのD.マウエ学者をはじめとする4カ国の学者が、ブラーフミー文字によりモンゴル語調音が記されていると判定された。米国考古学研究所が発行する「Archeology」誌は、2019年に「世界トップ10考古学的発見」を発表し、その一つとしてモンゴルのアルハンガイ県のウンドゥル・ウラーン郡にある「ゴル・モド2」という匈奴(フンヌ)の貴族墓地から出土された2個の銀製の龍選ばれた。この巧妙なデザインの龍はモンゴルだけではなく、アジア初の発見と言える。

 7. モンゴル国憲法改正

 モンゴル国憲法の28.5%、つまり19条の36規定の修正が取り上げられた憲法改正法案は国会議員62名により6月6日に提出された。

 定例国会、常任委員会にて36回105.9時間審議し、国会議員は全国21県、首都9区で法案紹介討論会を行ない、住民からは30万6000本の意見が届いた。政府庁舎における数日間行われた論議では政府及び非政府機関、政党、学者及び研究者からの600件の提案が寄せられた。モンゴル憲法改正法は、議会制民主主義の確立と統治の権利、執行権の役割、司法の責任向上・独立強化、地方自治の分権確保の改正という4点で作成され、憲法改正法は2020年5月25日12時から執行となる。

 8. モンゴルのバスケ女子チーム史上初に五輪出場権獲得

 モンゴルのチームプレースポーツ史上初に五輪出場権を獲得したのが、モンゴルのバスケットボールの女子選手らとなった。モンゴルの3x3バスケットボールの女子代表チームは東京五輪出場権を獲得できた。

 9. モンゴル日本教育病院外来診療サービス開始

 モンゴル保健分野では歴史的新ページを開いたモンゴル日本教育病院は今年10月1日から外来診療サービスをスタートした。日本政府無償援助資金79億8500万円により建設された最新技術の同病院は内科、外科、産婦人科、小児科、集中医療、救急対応など17方針の1042種類の医療サービスを提供する。

 10. モンゴル・アイラグ世界遺産に登録 

 12月11日、コロンビア共和国のボゴタ市においてユネスコ第14回無形文化遺産・保護委員会会議が開催され、「モンゴルの伝統的馬乳酒であるアイラグ(馬乳酒)発酵の伝統技術と関連の習慣」がユネスコ無形文化遺産として登録された。

 アイラグ発酵のユニークな伝統文化の文化遺産登録に向けて政府及び非政府機関がここ5年間積極的に努めた結果、観光客のモンゴル訪れる原因の一つとなるモンゴルの伝統の一つがこのように世界遺産として保護された。「モンゴルの伝統的馬乳酒であるアイラグ(馬乳酒)発酵の伝統技術と関連の習慣」はモンゴル国の第15番目の遺産となる。 

 モンゴルは2003年に署名されたユネスコの無形文化遺産の保護に関する条約に加盟してから2008年~2019年までに14件の遺産を登録させた。