本紙「モンゴル通信」主催の作文コンクール優勝は新モンゴル高専のD.テルゲルさん、着想の豊かさを評価

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2019-12-05 12:44:20

 モンゴル国営モンツァメ通信社の発行による日本語版「モンゴル通 信」が、日本・モンゴル文化協定45周年を記念して、在モンゴル日本国大使館とモンゴル日本親善協会の後援で 「日本語作文コンクー ル」を催し、11月29日に本社記者会見場で表彰式を執り行った。各受賞者には主催者からの賞金及び表彰状と日本大使館、モンゴル日本親善協会から記念品が贈られた。

 テーマは、「日本の何に関心を持っているか」。これには11校30本余りの応募があった。日本への関心は幅広く、 日本人の性格や生活習慣、日本料理、ファッション、高度な技術や経済、品質の良い製品など多岐に渡っていたが、 なかでもアニメへの関心は非常に高く、若者はアニメを通して日本語能力を身に着けているのが分かった。

 優勝は新モンゴル高専2年生のD.テルゲルさんで、ひらがな文字による言葉の豊かさに着目し、独自の表現法を用いた文章が評価された。2位はトゥブ県のフムーン小・中・ 高等学校のA.バト・アリオーナーさんで、原爆の歌「折り 鶴の歌」がモンゴルで流行ったのをきっかけで日本への関心を深めたという。3位はナラン学校10年生のE.アナンドさんで、関心事を3つの項目に絞り、特にアニメではその 「聖地」にまで言及する関心の高さが見られた。最後に遠くフブスグル県の村から応募してきた高校生のKh.ビャンバジャルガルさんには「奨励 賞」が贈られた。彼女は独学で日本語を積極的に勉強し、日本留学を目指している。

 総評では、「良い作文はテーマに即して内容を絞り、 独自の視点と具体的なエピソードを盛り込んだものが面白く、読者の興味と感動を惹く」と本紙監修者の近彩さんから述べられ、「今回は漢字や助詞の間違いが散見されたのは残念、作文は正しい日本語能力も試される」と指摘もあった。審査員には在モンゴル日本国大使館広報・文化担当の鹿野詩織さん、国際交流基金日本語教育専門家の三本智哉さん、モンゲニ学校日本語教師の中西令子さん、世界的ベストセラーとなる『人生がときめく片づけの魔法』著書の翻訳家のL.サロールトゥグスさんらが務めた。 余興では馬頭琴の演奏とナラン学校の生徒による日本の歌と踊りが披露され、華やかな雰囲気で観客を喜ばせた。優秀作文を以下に掲載。

                    私は 日本の文字に興味を持っています
「あ」
ありがとうございます
 懐かしい字。9年前初めてこの字を日本語の先生に教えてもらった時、「日本語楽しすぎ」って思って喜んでいました。 喜ぶことって幸せでしょう?幸せな私は日本についてもっと詳しく知りたいという気持ちになって、日本へ行ってみるのが自分の目標になりました。それで、6年生の秋、初めて日本へ先生や友達と行きました。日本語がよくわからなかったし、日本人と話したことはない、家から遠くへ行ったこともなかったから「どうしょう? 」って思っていたところでした。 お店で一番知っている言葉を 聞くまでは。 それは「ありがとうございま す」だった。嬉しくて、「わかった、わかった」って喜んでいました。
「い」
いいですね
 最初、学校へ通った日。自己紹介の練習して緊張がすごく多かった時、担任の先生が私のところに来て、「テリさん、日本語うまい。いいね」って言った。日本人の優しさが人に言った言葉から見ることができます。
「う」
嬉しいです。
 日本の友達と出会って、よくわからないけど話したり、さすがにできないけど勉強したり、一緒に遊んだり、楽しい時間を備えていました。日本の子供たちは本当に親切で真面目で面白いのがわかりました。 辛い時いつも手伝ってくれる。いつでも相談して選択する。お弁当も一緒に食べる。「モンゴルってどん な国ですか?」ってみんなが声かける。私をいつも大切にする。日本人が大好きだ。ある日、友人は私に、「テリちゃんと友達になって嬉しい」って言った。とてもいい気持ちになった時だった。
「え」
えらいです
 さすが、天才、素晴らしい。日本語にはたくさんの美しい言葉があります。その中でえらいが 一番好き。なぜかというと、私の好きな人が私に言ったからです。リコーダー を吹いていた私に、「えっ〜えらい」って言葉今、 懐かしい。
「お」
お疲れ様でした。
 日本には色々な日があります。特に文化祭、運動会は大切な日です。 クラスのみんなさんと一緒に面白いゲームとか、バスケ、バレーしたり、試合に出たり、様々な事をします。それで一番言いたいことは、日本人は何をした後も、最後に「おつかれ」と言います。これは「みんなさんよく感張りましたよ!」っていうことと考えています。「おし」 私は 自分の一番苦手なバレー部に入った時先輩に「できないよ」って言った。先輩は「全然 大丈夫!」って優しく答えました。それでもいつも失敗していた。でも彼らはいつも「おし、おし、おしよ」って言います。その時私は、よくできなかったからモンゴルの先生に怒られた事を思い出して、比べて思いました。 結局日本人は人に悪い言葉を言わないで、優しく教えてくれていいねって思った。
「日本」
 日本は私に沢山のものを教えてくれました。将来何になるのか、どうやって人を助けるのか、なんで勉強を一生懸命頑張らなければならないのか、なんでも頑張ればできるよって言う事、相手に迷惑しない事、 いつもありがとうとすみませんを使うこと。沢山の幸せが感じられました。人を愛する事、人を大切にする事、人に役に立つ事と過去を後悔しないように生きる事。 日本ってどこにある、日本ってどんな国、日本人って可愛いかなって色々なものに興味があった7歳の私。日本人と友達になりたかったから親に一生懸命頼んで日本へ行った12歳の私。「将来東京大学に留学します」って目標を作った13歳の私。「日本の高等専門学校がモンゴルにあります。そこへ通いたいです」って母と相談していた15歳の私。「日本の高校へ行きましょう」ってあった学問に友達と応募していた16歳の私。過去の私は今の私が作った。もちろん今の私は将来の私が作っているはずです。
新モンゴル高専2年生D.テルゲル

代理出席した優勝者の母(右)と日本語の先生
2位受賞者とラハグバー親善協会事務局長
3位受賞者とモンゴルけん玉協会のエルデネチ メグ会長