フレルスフ大統領:モンゴルは世界平和と安全保障のための国連取り組みを一貫して支持する

政治
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2025-09-25 11:46:45

(ウランバートル市、2025年9月25日、国営モンツァメ通信社)

9月23日、オフナー・フレルスフ大統領は第80回国連総会の一般討論で演説を行った。演説の内容は以下の通りである。

国連事務総長閣下!

ご列席の皆さま!

まず、国連創設80周年という歴史的な節目にあたり、同総会を主宰される議長のアンナレーナ・ベルボック閣下に心からお祝いを申し上げる。また、本会議が実り多く、成功裡に開催されることを心より祈念する。

800年前にチンギスハーンは大モンゴル国を建国し、「モンゴルの大平和」という理念のもと、東西の大地に秩序と法を確立し、人類の平和と発展の礎を築き上げた。この思想は、現在の国際社会における平和と安全保障の原点となる先進的な理念である。

80年前に、世界は戦争の惨禍にあり、人類の安全と希望は脆弱なものであった。そのような時代に、国連が設立され、世界平和と安全保障、そして各国が協力して共存するための基盤を築いた。それ以来、国連は平和の灯火として、人類の歩む道を照らし続け、紛争解決や人権の擁護、持続可能な開発の推進など、多くの課題に取り組んできた。

現代においても、世界は依然として複雑かつ流動的な国際情勢に直面している。地政学的緊張、紛争、気候変動、貧困、感染症など、多くの課題が同時に存在し、国際社会の協調的な対応が求められている。このような状況の中で第80回国連総会のテーマ「共にあることで、より良くなれる:平和・開発・人権のための80年とこれから」は、国連の成果と課題を総括し、全加盟国が思いと行動を結集して未来に向けた具体的な成果を挙げることを呼びかけるものであると、モンゴルが歓迎する。

モンゴルは、いかなる国家の主権と独立、領土の一体性を尊重し、紛争を平和的手段で解決し、人権と自由を擁護するという、国連憲章および国際法の原則に基づく立場を一貫して貫いてきた。1961年の国連加盟以来、我が国は国際平和と安全保障、軍縮・不拡散の支援、平和維持活動への貢献を通じて、世界の安全に具体的な貢献を行ってきた。過去、16件の平和維持活動に延べ2万3000人以上の兵士と警察官を派遣し、女性要員の割合を14%に上昇するなど、女性の平和維持活動への参加促進にも力を入れた。

モンゴルは、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、国際協力を進め、66.7%の進捗を達成した。国連多国間協力指数で第14位に位置しており、これは長年の努力の成果である。更に、我が国は内陸開発途上国(LLDCs)の利益を擁護し、その特別な要請や課題を国際社会に訴え、共に権益を守り、世界にその声を届けるための先導的な役割を果たしてきた。

気候変動への対応、砂漠化防止、放牧地保全と持続可能な牧畜の促進も、モンゴルが積極的に取り組む分野である。2026年にウランバートル市で国連砂漠化対処条約第17回締約国会議(COP17)を開催し、国際社会とともに包括的な解決策を模索する。これにより、水資源の保護・増強、土地劣化防止、地域社会のレジリエンス強化に貢献する。

モンゴル民族は古来より馬とともに歩み、馬文化を誇りとしてきた。馬は単なる交通手段ではなく、社会・文化・文明の発展に欠かせない存在である。国連総会で採択された「世界馬の日」を祝うことで、人類共通の文化遺産を国際社会と共有している。

ジェンダー平等の推進と女性の社会的・政治的参画強化も、モンゴルの重要な政策課題である。女性の意思決定参画の拡大や国際会議の開催を通じて、女性リーダーの育成とネットワーク形成に貢献してきた。これらの取り組みは、国際社会全体におけるジェンダー平等の促進にも寄与している。

国連は、設立以来、世界の平和と安全の象徴であり続けている。私たちは、国連の創設理念を振り返りつつ、加盟国が協力して「世界の大いなる平和(Pax Globalica)」を実現するため、国連の強化と改革を進めるべきであると考える。モンゴルは、平和を重んじる多元的外交と国際貢献を、今後も責任ある形式で果たす。

国連創設80周年を迎えるにあたり、全加盟国と共に、戦争がなく、安らかで平穏な世界、持続可能で、共に発展する世界の実現を目指し、更なる協力と連帯を強化していこう。

最後に、国連創設80周年を心よりお祝い申し上げ、晴れ渡る空の下で、人類の恒久平和を祈願する。

ご清聴ありがとうございました。