マザーライに関する14件事実

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2019-12-26 09:52:42

 世界的に絶滅危惧種となる哺乳類の一つは、ゴビ砂漠地帯の非常に干ばつした状況の中に生息するゴビ熊のマザーライである。

 マザーライは夏季プラス46度まで上がり、冬季マイナス34度まで下がる厳しい気候のゴビ地帯の幅広い空間に生息するということで、他の熊類から異なる。

 研究者の最新情報によると、2018年にマザーライ頭数は36頭しかないという。しかし、このかわいいゴビ熊について詳しく知る人は数少ない。最近、自動撮影カメラを設置し、この希少動物についてより多く知る機会ができている。

 モンゴル国立大学生物学学部のR.サミヤ教授及び科学アカデミー総合実験生物学研究所のN.バトトグトフ研究員、ラルフ・ホツツィ研究者らが自動撮影カメラを活用して画像と情報を収集し、2013年から研究活動をまとめた『マザーライ』本を今年になって印刷した。この本に記載されたマザーライに関わる14件の事実を紹介しよう。

 マザーライはゴビ砂漠に生息する世界唯一の熊であり、唯一モンゴルのゴビ砂漠に生息してい

る。1967年以降、一部研究者の調査によると、マザーライ頭数は半世紀前でも50頭を上回らなかった。例えば、1960年代にモンゴル科学アカデミー生物学研究所がマザーライを研究し、数えてき

た。1967年にアカデミシャンのA.ボルド氏をはじめとする調査団のマザーライ頭数調査によると25

頭だったという。その以降の調査でも50頭以上になった統計はない。R.サミヤ教授とN.バトトグトフ研究員は2018年、最新撮影カメラにより、マザーライの体格や特徴で区別しながら、36頭のマザーライがいることを確認できた。現在、この希少種目を保護することが最も大切だ。

1. ロシアの植物研究家のA.A.ユナトフ学者及びE.Mモルザイエフ地質学者の二人が1943年8月4日、マザーライの存在を初めて確認した。

2. マザーライはアルタイ山脈の南部ゴビ砂漠のツァガーンボグド、シャル・ホスタイ山脈、アタス・インゲス山脈を渡ったゴビ地帯の3地点で主に生息している。

3. 雄マザーライのことをシャルマーハイ、雌をエヴシ、子マザーライをアラムツァグと呼ぶ。

4. マザーライの肉球はヒグマより比較的小さく、爪が長くて真っすぐ。成獣の雄マザーライの後ろパッド(肉球)の長さ23.5センチ。後ろ肉球の引っ込み、そこには数本の毛が生えている。

5. 雌マザーライは胸に二個の乳を持ち、子マザーライに乳をあげる際には仰向きになって飲ませる。

6. マザーライは多種多様食の動物。食事の大半は植物である。

7. 夏にバッタなどの虫を食べ、腐肉を食べる場合もある。という訳で、マザーライは自然消毒の役割も果たす。

8. マザーライの生息地に深さ20~30センチの穴が多くある。それはマザーライの主食であるバジョー(ゴビに生える植物)の根を掘り食べた跡である。

9. マザーライは夏の暑い日々を岩の影や茂草の中に横たわって過ごし、真夏には水のある場所の近く定住している。しかし、真夏の湧き水が枯れてしまう場合が多く、マザーライにとっては困難な状況が生じる。

10. マザーライの骨格の発見物は非常に稀だ。収集家の手元にある数少ないマザーライ頭骨はヒグマより小さく、後鼻孔が幅広く、なお、歯の大きさは似ている。

11. マザーライは秋の11月から翌年の3月まで冬眠する。なお、冬眠場所に枯草や枝を持ち込み、分厚い寝場所を作る。

12. 子マザーライがいる雌マザーライは比較的移動が少なく、水のある場所を転々と過ごす。なお、雄マザーライは広い空間を移動しながら生息する。

13. 調査によれば、雌マザーライのテリトリーの面積は約514平方キロメートルで、雄は2465~2485平方キロメートルである。それぞれ頭数のテリトリーの重複が多い。

14. マザーライの生息地には、野生ラクダのハブタガイが共に暮らしている。