ビャンバツォグト道路・運輸開発大臣:国境を越える鉄道接続開通により、鉄道輸送能力は2030年に年間1億8000万㌧に達する
経済「交通ウィーク2023」国際フォーラム2日目の11月7日、「鉄道モンゴル2023」と題し、国内鉄道課題が議論された。
サンダグ・ビャンバツォグト道路・運輸開発大臣は「国内鉄道部門開発の70年間、1本線のみであった。2019~2023年にかけ905㌖の鉄道線が新たに建設され、国内鉄道網は2020㌖に拡大した。2019年に貨物輸送量2820万㌧であったのに対し、2023年末まで3770万㌧輸送量が推定され、年初10ヶ月時点で360万㌧のトランジット貨物が鉄道輸送されたのは前年同期比39%増であった」と強調し、発表を行った。
ビャンバツォグト道路・運輸開発大臣の発表ハイライト:
●南国境の中国との鉄道連結はザミーン・ウーデ~エレーン方面のみであったが、今では、シベーフレン~セヘー方面、ガショーンソハイト~ガンツモド方面、ビチグト~ズーンハタブチ方面を結ぶ鉄道線工事が開始され、さらに、ハンギ~マンダル方面、ロシアとはアルツスーリ~ツァガーントルゴイ方面の開通に特別な注意が払われている。
●国境を越える鉄道接続開通により、鉄道輸送能力は2030年に年間1億8000万㌧に達する
●チョイバルサン~フート~ビチグト方面鉄道工事の完成により、同地域の鉱産物がアルツスーリ~ナリーンソハイト~シベーフレン方面の1255㌖鉄道線で、年間2500~3000万㌧の輸送能力向上に伴い経済流通される。
●全長431㌖のサインシャンド~バローン・オルタ~フート方面鉄道事業は、モンゴル鉄道公社参加により実施される。
●中央鉄道線バガハンガイ駅から分岐しマンダル駅と連結し、ボグド山西南に位置するフシギーン・フンディー国際空港付近を通る全長144.8㌖の鉄道工事が実施すれば、首都を通る危険物輸送排除が実現でき、渋滞軽減にも貢献する。フシギーン・フンディー国際空港付近に輸送・物流センターを建設し、鉄道容量増加に役立てる。
●ウランバートル~カラコルム方面384㌖の鉄道工事が実施され、実現可能性調査後の設計、建設に出資・協力が可能となる。
●鉄道延長は2661㌖増加し、国内鉄道網の総長4倍の4680㌖となり、エレーンツァブ~ビチクト方面の東軸横断線とアルツスーリ~シベーフレン方面の西軸横断線を含め、経済を支える3鉄道軸を持つ。
●スフバートル、ザミーン・ウーデ、エレーンツァブ国境検問所の3つが、政策実施によりガショーンソハイト、シベーフレン、ビチクト、ハンギ国境検問所が鉄道線で結ばれ、計7つの国境検問所が鉄道線で結ばれる。
●現在輸送量の中継貨物340万㌧は4000万㌧に、輸出貨物820万㌧を8000万㌧に増加予定
●中国・天津港だけでなく、黄華、青黄島、錦州、営口、大連、丹東、連雲港やロシア極東の港との接続可能となる。さらに、インド洋の港やトルコのイスタンブール港を経由しヨーロッパ諸国へもアクセスできるようになる。モンゴル、ロシア、中国の首脳会談による「モンゴル・ロシア・中国経済回廊計画」が承認された。同計画の枠で、政府の鉄道輸送政策により、東・西軸横断線はロシアと中国の港に連絡できる構想である。
●中国とロシアの貿易額は年々増加し、2000億米㌦に到達見通しである。過去2年間、中国への輸出額も急増し、全体の29%が満州港、27%がホルゴス港、20%がアラシャンコウ港、19%がザミン・ウーデ検問所とスイヘンホ港を介し輸送されている。
●鉄道部門のこれらプロジェクト・プログラムが実施されることで、13県中心部が鉄道で接続され、全長4680㌖の国鉄網が構築され、国内の約230鉱床が経済循環に入る。さらに、輸送分野で1万3000人の新規常用雇用と2~3万0000人の臨時雇用が創出され、インフラ開発による大規模住宅地創出など多面的に進められる。