北中社長:チンギスハーン国際空港ではモンゴルの社会に調和した日本式サービスを展開したい

社会
bolormaa@montsame.gov.mn
2022-07-04 08:45:22

7月4日は、モンゴルの空の玄関口「チンギスハーン国際空港・開港1周年」である。開港後は、モンゴルへ来る人とモンゴルから飛び立つ人が交差し、再会する、旅の夢を描く❝新名所❞となった。

今回は、チンギスハーン国際空港開港1周年を記念し、空港を運営する New Ulaanbaatar International AirportNUBIA社の北中剛史社長の多忙な日々の合間を縫って、同空港の現在と今後の展望について聞いた。モンゴルを世界に繋げる目標に向けての意気込みとともに、「着任して3ヶ月。ずっと空港内にいるので、まだ大草原を見ていません」とも心の内を明かしてくれた。


開港1周年おめでとうございます。モンゴル日本両国はインフラ分野と道路交通分野において多数のプロジェクトを成功させてきました。その象徴となるのがチンギスハーン国際空港ですね…

ありがとうございます。空港は誰もが安心して利用できる安全な場所であるべきだと思っていますが、開港してから1年間は大きな事故もなく、通常運営を継続していることをとても誇りに思っています。2019年に国内と国際便の総旅客数は160万人でしたが、コロナウイルスの感染拡大に伴い20万人にまで減り、運営においても大きな影響を与えました。空港内では感染防止のための取り組みを進めて参りましたが、今年に入り、旅客の数も少しずつ戻りつつあることをとても嬉しく思います。私は着任して3ヶ月となりますが、昨年7月からチンギスハーン国際空港の開港・運営に携わられた加藤丈雄 New Ulaanbaatar International AirportNUBIA)前社長の貢献も大きいと思います。

モンゴル経済を支える一つの分野は観光産業ですが、その拠点となるのがチンギスハーン国際空港です。モンゴル政府が挙げる観光分野復興及び観光者数の増加に向けて、空港として実施している取り組みは?

モンゴル政府が挙げる観光分野復興戦略の一環で、旅客需要を伸ばすべく、政府が国内エアラインの増便・海外エアラインの新規就航に尽力を頂いていることを嬉しく思います。旅客数はコロナ前の40%弱レベルまで回復しており、この状況が続けば、2019年レベルの160万人、そして将来的には300万人の旅客数を実現することも夢ではないと思っています。旅客ターミナルビルを有効活用し、さらにサービス面を充実していく事に焦点を置いています。これまで私は福岡空港で空港事業に携わってきましたが、福岡空港の国際線ターミナルの年間旅客処理能力は390万人ですが、700万人以上の旅客を受け入れたことがあります。そこには、人的サービスを有効活用することで空港の収容力を超えた空港運営を実施できたと思い、モンゴルにおいて旅客満足度を更に向上させるためには日本のサービスレベルの導入が不可欠と思います。チンギスハーン国際空港においてそのような場面でも対応できる空港にしたいと思っています。

今は観光シーズンのピークを迎える時期ですが、チンギスハーン国際空港の対策は?

今は世界中でコロナ感染拡大は落ち着いてきている時期ですが、それでも拡大防止のための取り組みを実施しています。例えば、出発旅客の方と、見送りする方を分離する事で混雑を防ぐなどの対策を、航空会社を含む空港関係者が一丸となって取り組んでいます。さらに、大きな混雑を防ぎ、観光シーズンに向けて、多くの旅客が安心して出発と到着できるように環境の充実化を図りたいと思っております。


ご着任後、運営上の業務内容において特に注意を払っている点はなんでしょうか。

まず、日本人としてモンゴル首都空港の運営会社の社長に就任させて頂いている事にとてもやりがいを感じると共に、責任がある仕事だと思っています。毎日、期待に胸を膨らませる思いで仕事に取り組んでいます。チンギスハーン国際空港の従業員は旧空港の元従業員、モンゴル民間航空庁から派遣された従業員を含むモンゴル人と日本人の従業員が多数働いていますが、従業員一同でサービスの質を上げ、国の玄関口である国際空港のため、また訪れたいと思う空港にしたいと思っております。国内の観光需要は高いと思いますので、政府及び民間の関係機関とも密に連携し、モンゴルの魅力を世界に発信し、より多くの旅客が訪れて頂ける空港にしたいと思っています。

開港に伴い様々な事業とビジネスが促進され、発展していきます。チンギスハーン国際空港を囲むようにフシギーン・フンティ衛星都市と経済自由特区が計画されています。世界的に空港周辺の都市開発はどのように進められてきたかについて…。

空港は通りすぎる場所ではなく、そこに人々が集まる場所になりつつあります。飛行機に乗らない方でも、気軽にそこを訪れる、食事をする、楽しめる街になるという発想が世界的に浸透しつつあるのです。私が働いていた福岡空港は街中から電車で5分の場所に立地していました。そこにはレストラン、ショッピングセンターといった複合施設を今後建設し、半日でもお客さまが空港で楽しんで頂ける場所にする計画があります。フシギーン・フンティ衛星都市の計画も伺っています。我々も連携していきたいと思いますが、先ずはモンゴルの玄関口である空港事業者としてしっかりと旅客を受け容れる環境作りに尽力して参りたいと思います。

今年、そして2023年に実施予定の計画をお話しくださいませんか。

世界中の航空・空港を評価する英国の評価機関である SKYTRAX 社には「World Airport Awards」賞があります。しかし、これまでモンゴルの空港はランクインされていません。アジアではシンガポールのチャンギ国際空港、日本の羽田空港は「5つ星」として最高評価されています。来年、チンギスハーン国際空港は「3つ星」に挑戦したいと思っています。そのために、今年は、サービスエリアの向上のために日本から講師を招く等の取り組みを予定しています。もちろん、日本式のサービスがモンゴルの生活環境及び観光産業に通用するとは限りません。モンゴルと日本の良いところを組み合わせ、モンゴル社会に調和したサービスを展開したいと思っています。


開港して1周年、沢山の課題はあると思いますが、解決への糸口は…

課題の数も種類も余りにも様々で異なるため()、一つで全てを解決する策はないんです。安心と安全ということを常に考えながら、快適なサービス環境をお客さまに提供するためにスタッフとも話し合いながら取り組んでいきます。

最後に、これまでNUBIA社の社長としてのお話でしたが、個人としてモンゴルに来られてからの感想をお聞きしたいです。

4月に初めてモンゴルに来ました。訪問前は-40度や乗馬などの印象しかなかったです。でも、とても過ごしやすい気候ですし、日本料理店も沢山あります。モンゴル料理も美味しくて口に合います。また、モンゴル人は日本人と性格が似ているところが多くありますが、モンゴル人は裏表なくストレートに考えを述べるので、非常に会話しやすい等、生活しやすい環境でもあります。今は自宅と空港の行き来しかないので、早く馬に乗り、田舎に行き、モンゴルの生活習慣を知り、綺麗な自然に圧倒されたいと思っています。

 ありがとうございます。これからのご活躍に期待しています。


供与額656.57億円(日本政府の円借款)

実施期間:20136月(着工)20204月(完成)

滑走路3600m×45m×1

設計:(株)梓設計・(株)オリエンタルコンサルタンツグローバルJV

位置:ウランバートルから南へ約50㌔、トゥブ県セルゲレン郡フシギーン・フンティ

航空会社:MIAT, Aero Mongolia, Hunnu Air, Eznis Air, 中国のAir China, トルコのTurkish Airlines, 韓国のKorean Air, Asiana Airlines, Air Busan

総運航便数202174日~2022626日):3367便(国際)、3188便(国内)

総旅客数202174日~2022626日):244910人(国際)、208000人(国内)

 

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