モンゴルアニメ・4つの人気作品

教育
bolormaa@montsame.gov.mn
2022-06-15 11:37:52

   そうそうたる世界のクリエイターたちが大切さを力説しているもの、それが「想像力」だ。子どもは時に大人の想定を超えた鮮やかな世界を表現する。アニメは、現実ではなく、ファンタジーを描写することが多く、時には深い感情的な旅さえも描かれるため、大人が思いもつかないような表現方法や想像力を発揮する。想像力が子どもたちの未来にどんな役割を果たすのか、大人はいかにしてその感性を大切にしてあげられるのかが重要だ。近年、モンゴルで子どもの絵本や映画、演劇に注目が集まっており、それらに取り組むアーティストが数多く登場している。今回は、モンゴルの人気アニメの中から、特にストーリーの面白さで高い評価を得ている4つの作品を紹介する。


『ボンバルダイ』

モンゴルの昔からの習慣やモンゴルらしさを描いた『ボンバルダイ』漫画が原作となっている。かわいくて心の優しいボンバルダイくんの冒険の旅を描いたのが漫画家ナムバラル・エルデネバヤル氏。

モンゴル、日本、タイ、韓国、中国の5ヶ国のアーティストらが『ボンバルダイ』シリーズを基にしたアニメを共同制作した。

『ボンバルダイ』は文化、言語、宗教に関係なく世界中の子どもたちに愛と勇気を教えてきたと高く評価され、2014年に国際漫画祭で優勝し、金賞を授与された。『ボンバルダイ』アニメはオーストラリアで開催された "Flickerfest International Short Film Festival" 映画祭で85ヶ国からの2700本以上の短編映画のうち、上位9本の映画としてランクインされ受賞した。



『スーデル』

『スーデル()』アニメを9ヶ国から合計55人のアーティストがオンラインで協力し、制作。人々の生の人間関係を影で表現し、その真相に迫る物語である。コロナ感染拡大時の人々が見せる勇気や決意、そして感情の吐露に、観ている人は激しく心が揺さぶられる人間ドラマだ。

オスカー賞を受賞したプロデューサーのJoachim Zellが創案し、世界中のアーティストらが6つの作品をオンラインで共同制作した。 その一つがモンゴルのM.アザヤ作家の『スーデル』で、アザヤさんが監督を務めた。同作品は米国の"St. Lous International Film Festival"で 「ベストショートフィルム」賞を受賞した。

 


『チンギス・ハーン』

モンゴルの大草原では、大小様々な集団に分かれてお互いに抗争していた遊牧民諸部族を一代で統一し、中国・中央アジア・イラン・東ヨーロッパなどを次々に征服したチンギス・ハーンの歴史を次世代や子どもたちに紹介することを目的としたアニメである。B.テンギス「Ocean Pictures」社代表兼監督によって制作された。これにはD.ウルジーバートル歴史家や衣装歴史家など、数多くの研究者がプロジェクトに参加した。チンギス・ハーンの出身地、歴史上の出来事を最新の研究結果に基づいて制作した世界初のアニメとなった。


 

『ムンフ トンフ』

 ムンフくんは夏休みの間に、田舎に住んでいる叔父の家を訪ねる。そこでトンフちゃんと、ツァスハン猫、バスル犬とが仲良くなり、友達になった。ある日、遊んでいるとき、魔法の部屋を偶然見つけ、彼らの冒険が始まる・・・

モンゴルの民話を現代の子どもたちでも分かるように興味深い視点から描写したアニメである。今後、100話まで展開する予定。同アニメとコラボした商品開発も進んでおり、IceMark社の低糖の「ムンフ トンフ」アイスクリームなどが有名。


(協力:unread.today)