丘の上に立つ日本人抑留者の記念博物館、オープン!

社会
bolormaa@montsame.gov.mn
2022-08-12 17:02:11


 かつての太平洋戦争時に、多くの日本人抑留者がモンゴルに移送され、過酷な苦役に服した歴史があった。しかし、この事実は日本、モンゴル両国の国民の多くが知らないままに月日は過ぎた。これを、次世代に伝えて行こうと活動を始めたモンゴル人がいた。チンゲルティ区のゲル地区に位置する「ノゴーン・ノール公園」の管理者で市井の研究家ウルジートグトフさんだ。



「私が管理するこの土地が、かつての日本人抑留者が働いた作業現場であること知って、この重要な歴史を残す博物館をつくろうと思い立ちました」とウルジートグトフさんは語る。こうして、彼の考えに共感した日本人とモンゴル人の有志が協力し合って、小さなゲル博物館が建てられた。

84日、前日の大雨とはうって変わった快晴の下、小林弘之日本国特命全権大使を迎えて、「日本人抑留者の記念博物館・さくら」の開館式典が行われた。丘の上に立つゲル博物館は2棟。ゲルには「つらい過去を忘れず、両国民が強く平和を願い、友好を深め、今後、共に発展していくことを念じて建てた」という主旨が張られている。


この日の参加者は約50人。当時、この現場で日本人抑留者の監視員をしていたチョグサムジャブさん(98歳)が、特別来賓として参列し、過去の記憶をたどって77年前の現場の模様を証言した。参加者の感想は、「ご老人のお話が実に印象的で心に強く残った。二度と戦争はあってはならない」、「過酷な労働現場の貴重な写真や資料を見て、初めてこの事実を知った」などの声が寄せられた。

ウルジートグトフさんは、「本格的な記念博物館を建てる前段階としてゲルでの展示を始めた。これからは献金を募り、より内容の充実した博物館を建てるよう、がんばっていきたい」と語った。お問い合わせは:91166366(ウルジートグトフ管理者)