ツェレンバト大臣: 観光業はモンゴル主要産業になる可能性大だ

特集
naranchimeg199@gmail.com
2018-05-01 11:52:49
政府はグリーン融資コーポレーションの財源に300万米㌦を当てる
 
――まずは、気候変動と地球温暖化対策に向けた国際的枠組みへの参加とグリーン経済への取組に関する政策一貫性と現内閣の位置づけから話を始めたいと思います。
 モンゴル政府は、国際条約上に定められた自然環境保全と持続可能な発展の目標実現に向けて着実に取り組んでいる。この基本方針は、自然環境保全と気候変動の問題という共通意識から生じた政策課題であるため、前政権からの一貫した方針だ。うちの省は取組強化に尽力して、二酸化炭素の排出量削減、再生可能エネルギーの普及に向けた目標を立てている。具体的には、大気汚染対策で二酸化炭素排出量削減を図るための首都圏石炭流通禁止措置が2019年5月から発動される。また、小型・低圧ボイラー撤回措置も実施されており、首都圏16カ所にある低圧ボイラーをやめて、その代わりにセントラル・ヒーティング接続事業が行われている。各家庭の家計に合った住宅提供事業も調査中だ。ウランバートル下水処理場改築もようやく本格化を迎えるなどを挙げられる。

――これまで歴代内閣のグリーン開発に関する取組を総括すると?
 あらゆる国際枠組みへの参入は、当事国が国内法規との調整と国内各関係機関との調和を図る必要がある。グリーン開発の枠組み参加からもう5年が経つ。この間はグリーン経済実現に向けて国内各分野で同時進行で取り組みが推進された。同時進行はメリットもあれば、デメリットもある。グリーン経済実現に向けて予算確保は困難だった。 政府は、グリーン・ローン基金即ちグリーン融資コーポレーションの設立とその軍資金として300万米㌦を財源に割り当てる方向で動いている。各関係者らがそれぞれの責務を忠実に守れば、本事業は9月末もしくは年末からドナー各国からの出資を見込んでいる。1から時間と資金を投じて、形の出来上がり次第に参入するというやり方を変えて、当事者が最初から関わる仕組みの方向性で協議を重ねている。グリーン融資コーポレーション設立で、まず2750万米㌦の融資とその成果次第に資金増大も見込まれる。

――グリーン投資の可能性をどう見ていますか。
 世界中の投資ファンドや国際金融機関は、有限資源の最大活用という考えに基づくすべてのイニシアティブに対して積極的に融資を行っている。どこの国がどれ程に関わったか、によって融資をたくさん受けることが通例である。短期間における大規模の事業展開という努力が融資の増大を招くことを国民や企業が理解してほしい。

――グリーン開発に関して学校教育の一環として「グリーンなパスポート」運動を始めましたが、その意義等について教えてください。
 グリーンなパスポート運動は、各学校の最年長を対象とする。我々が学校で教わったことは今の現状に通用しない。そういった思いで始めた。今時の13歳~16歳に、持続可能な発展に向けた目標を託したい、彼らにもグリーンな市民になるため、青春時代から努力しなさい、とのメッセージを伝えたい一心から立ち上げた。この運動でリーダー的な存在感を発揮できた生徒は、国連の自然環境プログラムの国際イベント参加が待っているわけだ。新たな学年度から始まる。
 
口より行動で示すべき
 
――政府は石炭使用禁止などの勇気ある決断に舵を切ったと思いますが、その反面で、「空しい妄想」など批難の的となっています。政府方針が忠実に執行される根拠は何でしょうか。
 この措置は、かつて大気汚染に苦しまれた各国が講じた取組だ。我々の決断はむしろ遅い方だ。その上、市民には問題整理と準備期間も設けている。19年度5月付で、火力発電所以外のすべては石炭使用は全面禁止となる。
 同措置について、市民はそれぞれの心境を「空想」という言葉で表現しているだろうが、憲法上の責任を果たして次世代のために家の熱漏れ改善等の自発的な努力をしてほしい。さらに、石炭使用禁止措置と同時に石炭加工燃料の普及を図ってこそ、期待できる効果が現れる。そのため、各加工燃料工場と一時的な協力提携もできた。2 0 1 8 年秋~2019年春までの事業調査が行われ、2019年10月から加工燃料へ完全移行する方針を固めた。各当事者からの尽力こそが成功のカギだ。また、安全で健康に暮らすに意識改革が必要だ。空想のままで終わらせないよう、各社が最善を尽くすべきだ。
 
――大気汚染に関する国家計画は、2025年までに大気汚染物質排出量を今の8割まで抑えることを目標としていますが、これについてのお考えは?
 大気汚染解消に向けた短期・中期計画として、石炭使用禁止措置を採用。実験データによると、石炭代替となる加工燃料から出る汚染物質は、石炭燃焼の半分に留まることが分かっている。加工燃料に関していうと、メリットは2点ある。一つは、燃焼量が石炭の半分だ。しかも、排出の汚染物質も石炭の半分だ。だから、目標は現実的だ。ただし、期間と融資に関して熟考する必要がある。
 
――加工燃料のほかに、住宅提供も大変有意義ではないかと思われますが、それについてのお考えは?
 国内不動産市場には2万6000戸の未販売住宅がある。住宅ローン金利8%の条件を満たす市民の9割は既に住宅を購入しており、住宅ローン条件への緩和を、政府が模索中。金利8%を7%に引き下げることと先払い金の上限金額を引き下げることなどの方策が講じられる。そのほか、賃貸住宅がある。市民の安全な暮らしの確保を目的に、政府は賃貸住宅事業を継続させる方針だ。そのために、未建設住宅に対するモンゴル開発銀行からの融資支援を決定した。条件引き下げによる効果を見たい。
 
――ゲル地区の住宅化事業に関して継続の可能性は?
 ゲル地区の住宅化事業が抱える課題は、住民が所有土地を住宅購入に充てたい、一方の業者は、その土地を経済活用したい、と両社の認識のずれが生じる。土地価額はすべてが同じく高いとは限らない。当事者が妥協なく、それぞれの立場を主張し合うから、事業は行き詰ってしまった。例えは、ソンギノハイルハン区バヤンホショー地区でアジア開発銀行出資によるインフラ整備事業は、160世帯が土地の明け渡しを拒んだから、今中止が余儀なくされている。こうした一部の人間が抱く不信は、結果的に有償資金協力による事業中止を招き、さらに行政府の対応を誤認させる悪循環を生んでいる。相互理解がなによりも必要だ。
 
――大気汚染のほかに土壌汚染も深刻さを増しています。アジア開発銀行からの融資でゲル地区における公衆衛生の改善を図るプロジェクトが始まったと思いますが、それについて教えてください。
 同事業は4 月2 3 日に設備納入に関する競争入札を終了させ、結果を発表する予定だ。当該事業関連で、アジア開発銀行が欧州各国と技術移転及び導入に関して協議中だ。まだ、断言できないが、経費面と技術の適用性等を配慮して決めると思う。全居住エリアの導入を計画している。モンゴルは歴史と自然の生きた博物館
 
――同省は、観光業の主要産業入り、外国人旅行者数を100万人、業界規模の10億米㌦達成を目指す、という目標を公表したが、目標実現の可能性について教えて下さい。
 まずは、全国的な統一した観光ルート開発が必要だ。ルートが出来上がったら、それぞれの地域開発の財源は民間投資か、予算投入かが明確になる。その後、ルート沿いの各業者のサービス基準化も行われ、サービスの質が確立される。食品及び公衆衛生に係る規制強化を図り、観光客がより安心・安全な旅を楽しめる環境づくりを進める。当局からの各規準を満たす業者に対して営業許可などで活動への支援をする。
 過去20数年は、観光セクタ―が民間投資を中心に動いていた。政府は、これまで政策支援をできなかったが、観光業界振興を図るための長期貸付実施をアジア開発銀行と欧州復興開発銀行に要請した。実際の貸付まで時間がかかるかと思う。観光業は、為替で左右されにくいという強みがあるが、サービス質という弱みもある。高い質のサービス提供の徹底こそが当該業界の基盤強化につながる。
 
――シルクロード観光プログラムで、モンゴルは遊牧業の中心である、と宣言されました。目標実現に向けた具体的な取組は?
 「ITBベルリン」世界の観光見本市・展示会でドイツ・メディアからの取材で、モンゴルの特有性について聞かされ、「モンゴルは、歴史と自然の生きた博物館で、今もそのままで保全されている。博物館という建物の中で歴史を一括に見るのではなく、壮大に広がる草原の中で歴史の立会人になって旅をするわけだ」と答えた。モンゴルの特徴はこれだ。歴史的遺産もたくさんある。残念ながら、近年の財政困難で博物館改修が遅れており、そのせいで展示物のほとんどが保管庫で眠るままだ。これはモンゴルの観光セクタ―が直面する課題の一つだ。
 
――ウランバートル市内観光は、チンギス像やスフバートル広場、ガンダン寺院ぐらいだとの声がありますが、今後は、観光名所開発に向けた財政出動はありますか?
 政府は政策基本方針で、観光業支援及び地方の住民に対する雇用奨励支援に向けた開発事業を行うとしている。開発事業も既に始まっており、ヘンティー県で国家予算28億トゥグルグが投じられて、歴史を語る観光施設の建設事業が計画されている。観光業は主要産業になれる可能性が充分ある。
 
――フブスグル県の「青き真珠」アイスイベントは国内外から多くの注目を浴びました。同様なイベントで旅行者数を伸ばせる可能性が実感されましたが。
 輸送の問題がある。今、国内便が充分でないのが事実だ。道路・運輸開発省は、輸送問題解決に向けて取り組んでいる。そのほか。同省は一つのイベントではなく、滞在期間中に多くのイベントに参加できるようにイベント本数増やす方向で進めている。また、ウランバートル観光局と協力提携して統一したイベント開催を推進する。
 
――話題を変えて、絶滅危惧種の保護と飼育頭数の増加について話したいと思います。これに関する、政策基本方針を教えてください。
 マザーライ(ゴビ熊)の保護及び飼育に関して、中国と協力提携を行う。また、国立保護地域における観光ルートを開発する。実際、旅行者は自然と絶滅危惧種との触れ合いを楽しむわけだ。

――ありがとうございました。

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