ASEM首脳会合、成功裡に開催

政治
arvis@montsame.mn
2016-07-26 10:13:17

 世界はグローバル化の一途を辿り、世界各国の情勢や国際的な協力体制は進化している。また、諸問題を迅速に解決することはできなくても、その問題について審議し、自由に意見交換するのは何より重要とされている。そこで、15日〜17日にかけて、モンゴルのウランバートルで第11回アジア欧州首脳会合(ASEM)が成功裡に開催された。

 1994年、シンガポールのゴー・チョク・トン(Goh ChokTong)首相(当時)が、アジアと欧州の関係強化を目的とする「アジア欧州サミット構想」を、フランスのエドゥアール・バラデュール(Edouard Balladur)首相(当時)に提案し実現。その後、1996年3月に第1回会合が行われた。今回の第11回ASEM首脳会合はASEM創設20周年に重なっていることで特徴的である、とモンゴルのTs.エルベグドルジ大統領は開会挨拶で強調した。アジアと欧州の首脳たちが招集し会談する会合の影響は、両大陸の地理や人口などから見ると国連総会のそれに並ぶ大規模な首脳会議である。ASEM加盟各国の人口の合計は世界人口の63%、国内総生産の50%、世界貿易の60%をそれぞれ占めているという。その意味でASEM首脳会合をモンゴルで主催することは様々な面において有意義であったといえる。首脳会合では地域情勢や安全保障、気候変動、移住民問題、国際テロなど、審議されるべき課題が多数あった。今回の首脳会合は「20年のパートナーシップ:これまでの総括とASEMの将来」という総合テーマの下で行われ、議長声明や「ウランバートル宣言書」といった2件の公文書が採択された。代表者たちは公文書においてASEMを推進し、両大陸の連携を強化する原動力であるとした。また各国の首脳や出席者たちは、モンゴルの主催で開催されたASEM首脳会議は成功裡に終了したと評し、中でも、ジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長は「これまでの10回のASEM首脳会合の中で最も円滑に、そしてハイレベルに主催したのはモンゴルだった」と強調した。一方、ASEM主催の成果についてモンゴルのL.プレブスレン外相はASEM首脳会合を成功裡に開催したことで母国の名誉を世界に宣伝し、準備として実施した建設事業、インフラ整備、人材育成、知識などはモンゴルに残る。これは、次の国際的なイベントを開催するにあたっても万全な基盤が用意できている、と理解することができる」と語った。モンゴルはASEM首脳会合を主催するほか、初めて数多くの公式訪問を一斉に受けた。これはモンゴルと各国間の外交関係において最も重要なこととなった。首脳会合に出席するほか、日本、中国、シンガポール、ベトナム、韓国の合計5カ国の首脳がモンゴルを公式訪問し、首脳会談を実施した。ちなみに、ASEM首脳会議が開催された15日と16日、モンゴル及びASEMに関するニュースは世界各国から15億のアクセスがあったとの統計が発表された。開会挨拶を行ったエルベグドルジ大統領は「800年前、当時のモンゴル帝国の都であったカラコルムにアジアと欧州の使者たちが集まっていたと歴史文献には刻まれている」と語った。2年前の2014年にミラノにおいて、第11回ASEM首脳会議の主催国としてモンゴルが選定された当時は、モンゴルでこの会議を成功させることができるのかと誰もが不信感を抱えていた。しかし、モンゴルは首脳会議を成功裡に開催した。また、首脳会議の開催により、モンゴルの安全保障確保や外交関係、世界への影響が高まるほか、投資家への信頼、国内外の投資が増加するなどのプラス影響は大きいと専門家たちは見ている。

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