パクス・モンゴリカ、教皇フランシスコの訪問

社会
l.naranzul@montsame.gov.mn
2023-09-04 12:52:54

8月31日~9月4日、オフナー・フレルスフ大統領の招請により、モンゴルを公式訪問した教皇フランシスコが9月2日(土)、国民に向けた演説の中で「世界の平和を呼びかけるモンゴルの伝統的な心意であるパクス・モンゴリカを強調した。


また、モンゴルの人権を尊重し、平和を構築する取り組みはアジアだけでなく、国際的に重要な役割を果たしていることを示し、核兵器のない国になることを世界に宣言し、拡散を防止するモンゴル政府の決定を賞賛した。さらに、モンゴルは平和を優先する外交政策を掲げる民主主義国家であるだけでなく、世界平和に貢献する使命を持った国であるとも強調し、現在、緊張情勢に満ちた世界が祝福されるよう、「モンゴルの大平和」が世界に実現され、国際法と規範が尊重されるよう祈った。


13世紀にモンゴル帝国が世界中に平和をもたらし、「モンゴルの大平和(パクス・モンゴリカ)」心意を宣言した。当時残された記録では「モンゴル帝国の支配地域を東から西へ、西から東へ障壁なく旅し、金を積んだラクダ10頭が目的地に無事に到着する」と記載される。これは世界に平和かつ安全で、紛争が沈静化していた時代があったことを意味する。近年、多くの研究者が当時の平和な時期を研究している。

2022年に迎えたチンギス・ハーン誕生860周年を記念し、2023年に第12回モンゴル研究者国際会議が「モンゴルの大平和」をテーマに開催されることにより、世界的に平和に対する関心を集める一歩を踏み出した。


世界約14億人のカトリック教徒の精神的指導者である教皇フランシスコがモンゴルを訪問し、世界中に「モンゴルの大平和」である「パクス・モンゴリカ」心意を思い出させた。教皇フランシスコはウランバートル市で開催された各宗教団体の代表らとの会談に、戦争と紛争の終結と平和的共存を呼びかけた。


モンゴルは、21世紀にも祖先から受け継いだ『パクス・モンゴリカ』心意を実践し続け、平和の理想的指導者となりつつあり、 2022年にアントニオ・グテーレス国連事務総長もモンゴルを訪問した際、「モンゴルは平和の象徴である」と述べた。


教皇フランシスコは「雲が動き、空は晴れる」と言うモンゴル言葉のように、世界のどこにでも兄弟のごとく共存したい希望を持ち、紛争の雲が消え、人類の基本的権利が強化され、豊富な歴史を持ち、天に恵まれたこの国から世界平和のために力を合わせようと述べ、祈願した。