国内の小麦需要を賄うため、約10万㌧の輸入が必要
経済
(ウランバートル市、2025年9月2日、国営モンツァメ通信社)モンゴルでは今夏の干ばつと高温の影響で小麦の収穫量が減少し、今秋の収穫計画25万5800㌧では国内需要を完全に賄えず、約10万㌧の輸入が必要となる見通しである。
食糧・農牧業・軽工業省によると、収穫分のうち来春の播種用に3万8600㌧、種子備蓄に1万2500㌧、飼料用に2万4800㌧、アルコール製造用に1万1000㌧を充て、残る16万8900㌧を製粉用に充当する。しかし国内需要には不足し、輸入に頼らざるを得ない状況だという。
ジャダンバ・エンフバヤル食糧・農牧業・軽工業大臣は主要製粉会社の代表と会合を開き、「国内小麦で小麦粉需要を確保し、供給の安定に注力する必要がある」と強調した。そのうえで、関税免除措置が廃止されたことに触れ、「特に西部地域の住民にとって価格安定のための調整が必要だ」と述べた。
N.バトトゥムル農業法人の専門家は、世界の小麦の約25%を供給するロシア市場について「クラスノダール地方の9地区、ロストフ州の4地区、オムスク州の5地区が干ばつの影響で、収穫の25〜35%を失う見込みである。従来1㌶あたり50〜60㌣の収穫が期待されていた土地でも、干ばつの影響で25〜29㌣にとどまると予想される。収穫量の平均が減少し、農業経営体が操業を停止する事例も出ており、世界の小麦価格は上昇傾向にある」と説明した。