首相信任決議案は否決
政治
(ウランバートル市、2025年6月3日、国営モンツァメ通信社)6月2日、国会本会議が開かれ、首相信任決議案が審議された。
審議に関して、ロブサンナムスライ・オユンエルデネ首相が演説を行い、決議案の内容を説明した。
同氏は「連立内閣は発足から10ヶ月の間に、60年間以上議論されたエルデネブレン水力発電所プロジェクト、30年間以上継続したエネルギー改革と価格自由化、28年間停滞したモンゴル・フランスの合同ウラン・プロジェクト、20年間以上政治問題化したガショーンソハイト・ガンツモド国境鉄道プロジェクトを始動させた。モンゴルの輸出収入は2倍に増加し、経済規模も2倍に拡大した。国内総生産は37兆4000億トゥグルグから80兆トゥグルグに達し、1人当たりのGDPも過去3年間で継続的に上昇し、4128米㌦から6898米㌦に達した。信用格付けが1段階引き上げられ、国際金融機関における政府の評価も高まり、投資家がモンゴルに関心を示し始めた」と基礎指標を示した。
続いて、「首相信任決議案」が政府構造常任委員会で審議された結果について、同委員会のJ.バトエルデネ委員長が報告した。常任委員会の出席議員の73.9%が首相信任に賛成したという。
政府構造常任委員会の報告を受けた後、O.ツォグトゲレル議員が国会内民主党会派の意見と結論を発表した。同氏は、「オユンエルデネ首相は2025年5月28日、憲法第44条第1項に基づき、自身に対する信任を国会に問うことを上程した。これを受け、国会内の民主党会派は92.9%の出席率で協議し、全会派議員の過半数の賛成により、民主党会派議員は国会本会議の信任投票に参加しないことを決定した」と報告した。また、「信任投票に参加しないことは、オユンエルデネ首相に信任を与えないという政治的決定である。第一に、オユンエルデネ首相が自身および関連者の支出や合法的収入の証明を求める市民の要求に応える代わりに、自身への信任問題を国会に上程した。これは、有権者を誤導する原則なき行為である。第二に、モンゴル人民党の小会議で民主党を内閣から排除する決定を下した。これは、連立内閣を構成する政治党派の代表機関が合意した決定や協力協定を露骨に違反した行為であると、国会内民主党会派は見なしている」と説明した。
続いて、議題に関して国会議員が質問し、回答を得た。国会議員らは首相に質問し、回答を受けた後、信任の是非について自らの見解を述べた。
この場にオフナー・フレルスフ大統領も出席し、見解を述べた。大統領は国会の業務に敬意をもって接し、過去において内閣を全面的に支持してきたと述べ、モンゴルで「人間ではなく、法が支配すべきである」と強調し、大統領制への移行に一切賛成しないという考えを表明した。また、議院内閣制を一貫して支持していることを表明し、2019年の憲法改正に積極的に関わったこと、大統領の多数の権限を自ら放棄したことに言及した。あわせて、汚職対策庁を行政府の管轄に移管し、判事任命の権限を司法総評議会に移譲したことも語った。更に、議院内閣制を引き続き支持し、自身の任期中に憲法を改正しなく、次回の大統領選挙に立候補しないことを報告した。加えて、大統領が国富基金の創設を提唱し、憲法に明記させたことを改めて強調した。そして、国民が天然資源を平等に享受すべきという強い信念を表明し、正義を求めて抗議している国民の声に耳を傾けるよう、国会および内閣に勧告した。
フレルスフ大統領の発言の後、国会議員らは引き続き意見を述べた。議員の発言が終了した後、政府構造常任委員会のJ.バトエルデネ委員長が、決議案の採決に際し、無記名投票(投票用紙使用)による採決方式を提案した。同採決方式の提案について投票が行われた結果、出席議員の77名(65.3%)が賛成した。
無記名投票に82名の議員が参加し、44名(53.6%)が首相信任決議案に賛成、38名(46.4%)が反対票を投じた。
D.アマルバヤスガラン議長は、国会議事規則法に基づき、議員の過半数(64名)の賛成があれば首相信任が可能であると説明した。しかし決議案が否決されたため、首相が辞任したとみなす決議が成立した。
同決議に基づき、新首相が任命されるまで、オユンエルデネ氏が職務を継続することが指示された、と国会報道局が報じた。