サマンサ・モスティン氏:今回の訪問によりオーストラリア・モンゴル関係の豊かな側面が示された

政治
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2025-09-19 09:42:16

(ウランバートル市、2025年9月19日、国営モンツァメ通信社)サマンサ・モスティン・オーストラリア総督はモンゴル訪問の一環、記者会見を開催した。


31年前にビル・ヘイデン元オーストラリア総督がモンゴルを訪問して以来、私が2人目の訪問者となった。1990年代に両国関係が構築・強化され、深い絆を持つようになった。オーストラリアはモンゴルの第三隣国であることを誇りに思っている。同国賓訪問の際、両国の協力関係が新段階に格上げされた。両国は教育分野をはじめとする様々な分野で強固な関係を築いており、特にオーストラリアの大学・高等教育機関の卒業生による活動を通じて、ますます発展している。1990年代から始まった奨学金プログラムにより、6000人の学生がオーストラリアで教育を受けている。また、数万人のモンゴル人がオーストラリアで学び、働いている。同訪問の際に「オユトルゴイ」プロジェクトを視察した。リオ・ティント社とモンゴル政府が推進中の同プロジェクトにオーストラリアの数百社のエンジニアリング会社やコンサルティング会社が関わっている。同プロジェクトを通じてモンゴルの未来を担う若者たちが知識と技能を身につけている様子を見るのは本当に喜ばしいことであった。二国関係の様々な側面を私に示してくださったモンゴル国大統領に心より感謝を申し上げる。




ーー今回のモンゴル訪問は、政治的にも経済的にも二国関係を一段と引き上げる意義深いものになったと考えています。モンゴルにとって、鉱業以外にもインフラや開発分野への投資が非常に重要であると見ていますが、この点についてオーストラリアの投資家らはどのように考えていますか。

まず申し上げておきたいのは、私は個人としていかなる投資や金銭面での利益関係も持っていないということである。過去30年間、モンゴルの投資環境を整えるために尽力してきた。例えば、リオ・ティント社がモンゴルに投資し、事業を実施したことは非常に成果のある取り組みとなった。要するに、企業は重要な事業を実施してきた。両国が民主的な価値観を共有し、法の支配を尊重し、法律を遵守していれば、投資にとって信頼できる安定した環境が整うと考える。


ーーご訪問中に、オーストラリアが実施している事業を実際にご覧になりました。モンゴルで進行中のプロジェクトの成果や実施状況をどのように評価していますか。

二国が友好的で親密な関係にあれば、間違いなくパートナーシップに繋がると実感した。パートナーシップから良い成果が生まれる。その成果を最も明確に示している実例は技能向上である。オーストラリア人がモンゴル人にスキルを身につけさせ、育成してきたため、モンゴルの若者らは世界各国で働けるようになった。このような成果に対し投資家らは大きな誇りを感じている。投資は単にビジネス分野にとどまらず、教育や市民社会、ジェンダー平等、所得面で取り残された人々への支援など様々な形で行われる。大統領も英語教育の向上を特に強調した。従って、オーストラリアは今後も教育分野での協力関係を発展させ、特に英語教員の派遣や支援に注力する。


ーー近年、モンゴルでジェンダー平等や女性の意思決定の場での参加拡大に向けた取り組みが進められています。高い地位にある女性としてこの点についてどのようにお考えでしょうか。

今回の訪問を通じて、モンゴルが女性の経済的権限の向上と自立支援に特別な関心を寄せていることを認識した。例えば、「オユトルゴイ」プロジェクトの全従業員の25%が女性である。これはモンゴルだけでなく、世界に向けても非常に重要なメッセージとなっている。なぜなら、鉱業分野で女性が働くことは決して簡単なことではない。また、ゲル地区を訪れ、女性の気候変動への適応能力を向上させる取り組みも見た。母親であり地域のリーダーでもある方が気候変動に対応するため太陽光パネルを設置し、クリーン・エネルギーを活用しているのを目の当たりにして、とても感動した。これらの事例をオーストラリアで紹介したいと考えている。


ーー「オユトルゴイ」のようなプロジェクトを通じてモンゴル・オーストラリア関係を更に発展させることは可能でしょうか。

政治的な立場からコメントできない。二国間パートナーシップの発展について両政府が協議して決定すべき。 しかし、「オユトルゴイ」プロジェクトを視察する際、投資を呼び込む必要があること、両国とも民主主義国家であるため、基本理念が共通していることを実感した。民主的な価値観を有し、安定した投資環境が整っている国への投資は素晴らしい機会であると考えている。モンゴルで事業を展開している企業代表者らは、鉱物資源分野の発展により、モンゴルの国内総生産に貢献するだけでなく、世界の富創出にも寄与していると考えていることを表明した。つまり、鉱業分野は今後も重要な分野であり続けるであろう。新事業に関して両国のビジネス関係者が決定するであろう。二国間の投資は広範囲にわたり、深い意味を持っている。モンゴル人はオーストラリア人に学び、またオーストラリア人もモンゴル人に学んでいる。これも投資の一つの形である。