ザンダンシャタル首相:政府の無駄な支出を削減する
政治
(ウランバートル市、2025年6月14日、国営モンツァメ通信社)ゴンボジャブ・ザンダンシャタル首相は国会本会議で演説を行った。演説の全文は以下の通りである。
私をモンゴル首相に推薦した皆様、モンゴル人民党、そして首相に任命する提案を国会に上程したオフナー・フレルスフ大統領に心より感謝を申し上げる。正義、公正な富の分配、メガプロジェクト、地域開発、新復興などの戦略や目標を設定し、一定の成果を達成した第32代および第33代首相のオユンエルデネ氏とその閣僚らに敬意を表す。
新たに発足する内閣は、モンゴル人民党、民主党、フン党から構成された連立内閣の計画を継承する。
世界で地政学的および地政戦略的な緊張が続き、貿易・関税戦争が起きている。原材料価格の下落により、鉱業の少数の製品に依存しているモンゴル経済は、深刻な試練に直面している。例えば、モンゴル経済は過去4年間で平均5%の成長を遂げてきたが、今年の第1四半期にその半分にまで減少した。石炭輸出が停止し、国家予算の歳入が途絶え、外貨準備高やトゥグルグの為替レートに悪影響を及ぼし、インフレ率が上昇している。予測によると、年末までに経常収支の赤字が10億米㌦に達する可能性がある。その他、電力システムの信頼性と安定供給に突然のリスクが生じた。
従って、経済を安定させ、国民の収入と生活水準を向上させ、電力の突然の停止など緊急課題を早急に解決する必要が生じた。リスクや試練を乗り越え、全段階で国家の抵抗力と耐性を強化することが、新首相の使命となるであろう。
私たちは、国内外の不利な状況から脱出しなければならない。そのため、内閣は国家安全保障や国民権益を脅かし、信頼を失わせている問題を優先的に解決することを目指す。国の経済は厳しい状況にある。支出を削減し、収入を節約する以外に選択肢はない。しかし、リスクを乗り越える際に国民や企業に負担を強いるのではなく、政府の無駄な支出を削減し、締め付けを強化する。
従って、2025年の国家予算に対し緊急の節約修正を行い、予算の規律、透明性、開放性、一体性を厳格に守り、責任体制を大幅に強化する。予算支出や負担を増大させている巨大な官僚機構を整理し、「量より質」へと転換し、コンパクトで有能かつ生産的な公務員組織をつくる。
国営企業、機能が重複している委員会、非効率的な国家基金を整理する。国営企業の数を減少し、民営化を加速させ、ガバナンスを改善し、公共の監査下にあり、コンパクトかつ有能で、成果の出る組織改革を行い、専門的な経営体制を導入する。
新内閣は全ての勤労者や雇用主、富の創造者を全面的に支持する。従って、税制および社会保険基金の包括的な改革、個人と企業の税負担の軽減、段階的で公正な税制強化、税基盤の拡大を行う。
民間企業が遂行できる業務を政府が行わない原則を守る。一部の行政サービスを民間企業や専門団体に委託し、経済における民間企業の参画を拡大する。
中小企業を支援し、イノベーションや生産性を促進する法制度の改革を行い、ビジネス環境の障害を取り除き、民間企業の競争力を高める。