国立大、冷凍貯蔵技術による食肉貯蔵 システムを公開

科学
41@montsame.mn
2017-04-21 11:46:02
 モンゴル国立大学は2 0日、ボグド山ふもとのウブルザイサンにある同大学研究合宿所に設置された再生可能エネルギーを利用する冷凍貯蔵技術による食肉貯蔵システムを公開した。同システムは太陽光エネルギーを主電源とするコンテナー式の冷凍貯蔵設備である。試験運転中であるが、稼働からもう1年半が経つという。一括の貯蔵量は約3㌧およそヒツジ150頭の枝肉が貯蔵されるという。消費電力は、10個の太陽光パネルからの発電で約54%を賄い、太陽光発電できない時は中央送電線から電力を受けているという。
 コンテナー式のため、移動も可能である。特に送電線から離れた遠隔地もしくは電力供給が安定してない地域において活用が見込める。また、-30℃までの一定の温度を保ち続けられる温度管理も行えるため、貯蔵される食肉の味など品質管理に対しては問題ないという。
 A.アマルバヤル国立大教授は、「総発電3KWの太陽光発電パネルを設置した。その数を2倍にすれば、完全に施設の電力を賄える」とした上、「この貯蔵システムは、モンゴル遊牧民に対する経済効果を大いに見込め
る」と語った。同氏は「食肉貯蔵は温度管理が命である」とし、「従来の自然冷凍は、温度管理できないため、貯蔵が難しい。温度変化で食肉の質が落ちてしまう」と述べた。さらに、「一般市民は、モンゴル人が
主食するほど好む食肉を市場から原産地の不特定のままで気にせず購入してしまう。つまり、こうした原産
地不特定性は食品安全や経済効果の面で問題がある。原産地も価格競争の重要な要素であり、遊牧民が行う飼育への最も適切な評価だ」と発言し、「ゾドなどの自然災害に備えて、遊牧民は飼育数の適切な管理を行えるし、また秋に起きる食肉過剰供給による価格急落等の問題を回避できる」とこの取組が遊牧民の収入安定に繋がると強調した。その後、国立大は、公開参加者の70名に対して冷凍肉の試食を行い、美味しいお肉料理を振舞った。